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あの頃
世界は終わりつづけていた
人々がざわめき行き交う街は
同時に 虚ろな廃墟だった
あらゆるものが僕の意識から
辷るように遠ざかりつづけていた
(でもいくつかのものごと たとえば ....
夜明けの人よ
この胸の彼方の青い丘に立ち
おそらくは私を待っているのであろう
夜明けの人よ
あなたのもとへと
私は行きたい
けれどそれにはまだ
私が過ぎ去らねばならぬもの
私を過ぎ ....
風は暗がりから吹く
私の影は滴りつづける
誰も居ない
かつて誰かが居たかもしれない
そのわずかな痕跡も
とうの昔に温度を失い
記憶を失い
頭上には黒い星座たち
ただ脳裏 ....
壁を自在に移動する窓
持ち歩き可能な窓
心臓に取り付けるための窓
蜃気楼だけが見える窓
窓硝子に詩を書くための窓
叩き壊しても何度でも再生する窓
脱け出すためだけの窓
忍 ....