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雨が降るを厭い
風が吹くを厭い
日が照るを厭い
紅い 紅い花を咲かす
雨が降るを尊び
風が吹くを尊び
日が照るを尊び
優しい 優しい実をつける
真面目な顔で
政治を語るなら
お前は浪花のエリカ様と
何ら変わりないことを
思いしれ
真面目なことを語るなら
笑いを取るぐらいでないと
話にならないんだよ
今日行った
居酒屋のお ....
今日 気持ちに
濁点がつきました
かぞくも
こいびとも
ともだちも
じぶんも
爆発しそうなかんじょうが
生々しい濁点の上の
現実的な関係です
....
夕暮れの始まりには
電車も家に帰り着いているよ
そう、ぜんぶ
雨戸がひとつ閉まるたびに
天国ではピアノがひとつ鳴る
そう、どれも
だれも、おたがいのこと
なん ....
話し声はあちらこちら
ショーウィンドウにぶつかったり
街灯に巻きついたり
屋上から飛び降りたり
車道に降りて轢かれてたり
わたしはこちらですけれど
あなたは ....
レモンティーの中に入れた角砂糖が
スプーンでかき回すことなく
ゆっくりと溶けてゆけば
それはもうすでに春です
紅色の中でもやを出して
やがてその中にうちとけ合い
春がしっかりと出来上がるの ....
ねぇ。空に投げたらどうなるのかなぁ?
うん。投げてみたらいいんじゃないかなぁ?
そか。でも、投げてもいいのかなぁ?
だね。いいんじゃないかなって思うよ?
じゃあ、投げるね。
うん ....
シチューを煮込む鍋のとなりで
牛が熱心に腕立て伏せをしている
ぼくは牛に近づいて
両腕を切り落とす
そして二本とも鍋に放り込む
牛がうらめしそうな目でぼくを見る
こちらもギッと睨み返すと
....
たばこをやめたら体重が3キロ増えた
補正したばかりのボトムスが
みるみる合わなくなってしまった
そのことで取り急ぎ困りもしなかったが
そんな理由から冬に始めた散歩は
春を過ぎてもまだ続いてい ....
独裁者についてった時代を
その時代の人々を今振り返ってどうかしてたんじゃないかと思うように
百年二百年たったら
俺たちのことを
俺たちの時代をどうかしてたと思うのか
船はずっと北を目 ....
俺の名前は台湾人の名前で入っていた
林という名で入っていた
きみの名前は男の名前で入っていた
福田隆弘という名で入っていた
それをさびしく笑っていた
クリスマスに近い ....
板金工場の常夜灯が鼻先を照らして
土手を越えてくる 河のすえた匂い 廃水とフナの
遮断機が下りてきて カンカンうるさくて
鉄橋を渡ってくる貨物列車 積荷の豚と目が合う
電話ボッ ....
結婚が決まって 指輪を買いにいった
おもちゃみたいなアクセサリーばかりの私
緊張して店員さんに 結婚指輪をと言うと
いろいろみせてくれた
自分の指のサイズも まともに知らなくて
次々に ....
朝起きると同時に自動販売機に向かう
どんなに寒くともアイスの缶コーヒーを買う
朝食はろくに摂らない
とりあえず精神薬を口に放り込む
摩擦の多き日が続き
僕の思考は混乱
....
郵便受けに葉書を取りに行くと
ワニが立っていて
小包は腹の中にあると言うので
両手で口を大きく開いて
上半身を口の中に入れて
ようやく取り出すことができた
小包を開けると
小さな電卓が出 ....
仕事の帰り
寒くって走りだしたらさ
どこからかシチューの
少し
焦げた匂いがしてさ
暖かい部屋と
スープと
それから
それから
いろいろ
いろいろ
伸びた髪が邪魔だけど
足 ....
You know?
The word "I love you" is the word for the person whom I love the most.
Would y ....
つめたくて
やわらかな
夜中の大気だ
コンビニの袋を
ちりちりといわせ
二人で歩いていた
着込んでいるのに裸なふたり
既婚でいるのに
ややこしいこと ....
雨の中、電線に止まって動かないカラスを僕は見ている
君はそんな僕を見ている
カラスは無言で、僕も無言、そして君も無言
しばらくしてカラスが飛び立って、その姿が視界から完全に消える
ぼくは、ゆっ ....
伊勢の南島町
漁師の友達の両親
おばさんは嫁いでから
一度も休みがない
その息子 親友 純 日本人 世界中を回って
ハワイにたどり着いた波乗り くらげに襲われて
....
エレベーターの中で
「開」というボタンを押すと
涙が止まらなくあふれ出た
何かを受け入れるということは
何かを拒絶することと同じくらい難しい
一人またひとりと乗り込む人を
か細い指で支えな ....
父親と車に乗る
エンジンのかかりは悪くてうるさい
追っ手などどこにもいないのに
ありったけの白煙をまき散らす
追っ手が来たって逃げようがないほど
アクセルの想い ....
問1
生きる事 □ 死ぬ事
四角に入る記号はどれ?… >, =, <
問2
一番大切なものはどれ?
愛・夢・金・平和・金・命・自分・他人
問3
愛とは何か
10 ....
あるがままに咲く花が薫るよ
藍色に染まってく街のスキマで
ただ空を見上げるのに飽いた僕は
迷走するネズミたちの群れの中で
瞑想する聖者たちの群れの中で
....
テキストファイルには何を書いてもいい
だがワードパットドキュメントには真実以外書いてはならない
ゲーテ
IDカードを首からぶら ....
言葉がやたらと出せなくなったので
修理工場へ行ってみた
そこではたくさんの農夫が
カレンダーに数字をでたらめに書いていた
故障の診断はどこですかと尋ねると
奥の池の中に入れと言われた
よく ....
道路に似た人がいたので
間違えて歩いてしまった
慌てて謝ると
よくあることですから
道路のように笑ってくれた
よくあることですから
そう言って
許したことや諦めたことが
かつて自分 ....
妻が子を産んだ。
女の子である。
わたしの子ではない。
山神さまの子だと妻は言う。
山神さまの子は妻に似て、
肌が白い。
むずかると、
白い肌を紅くして泣 ....
どうせ私なんて独りなんだから
言ったら独りじゃなくなる
そんなことないよって
みんな寄って来る
知ってるんだ
知ってるんだ
『どうせ私なんて独りなんだから』
振り返る ....
幼子が堅く握った手を
僅かにゆるませるように
朝の光を浴びた梅の木が
真白い花を孵化させている
豪華さはないが
身の丈に咲く、その慎ましき花に
頬を寄せれば
まだ淡い春が香る
....
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