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「急に泣きたくなる」
という設問を読んで
泣きそうになる
つきつめると
あふれてしまうので
空みみのふりをして
「いいえ」に丸をつける
+
淡い花のきもちになって
窓の外 ....
ラムネのビー玉を
半分あげるの、と鳥かごに入れて
じっと様子をうかがっている
握り締めたもうひとつには
何が映っているの
+
冷蔵庫の隅に
食べちゃだめ
と念を押されたりんご飴 ....
子供たちは
キティちゃんのホークで
なぽりたんを召し上がる
何千キロという海の大きさも
何十万ガロンという容積も
その喫水の深さも
まるで想像できない
きっと、大切なことなのだろう
....
夏ごとに
おしゃれになってゆくおまえが
自慢のミュールで前を行く
{引用=
(なぁ、おまえが選んだっていう
(このお父さんの水着
(ちょっと
(トロピカル過ぎやしないか
}
いつか
....
若草色のかざぐるまに
しがみついていた、あの人が
夕風にさらわれて
私の中を流れてゆきます
水たまりの映す青さの
ほんとうを
確かめるまえに
軽々と飛び越えて
もう
行ってしまっ ....
耳から
抹茶がこぼれてしまうという
朝になるとシーツは
たっぷり緑を含んでいて
洗うたびに
深みを増していくのだという
(この時期だけなんですの
と
さして困ったふうでもなく
さらさ ....
海に還る
手続きはいらない
横たわり
網膜を青で満たしたら
循環する感情を
濾過する
やがて
余分な手足は
抜け落ちて
流線型になる
心配するな
そのころには
陸な ....
夕焼けは決して終わらない
さっき、オレンジのストローで
おもいっきり膨らませておいたから
輝く小石たちのいるポケットの輪郭
指先の土は、もう、乾いた
工事現場の重機の群れは
拳を打 ....
見渡せば、{ルビ紅=あか}のパノラマ
岩肌の背を辿り
風紋の営みに耳を澄ませば
褐色の陰影、陽炎の揺らぎ
彷徨えば、蒼のカルデラ
火照った靴を脱ぎ
静寂の層流に{ルビ踝=くるぶし}を垂 ....
緋月 衣瑠香さんの佐野権太さんおすすめリスト
(9)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
選択肢
-
佐野権太
自由詩
30*
08-12-2
夏の残り火
-
佐野権太
自由詩
18*
08-8-19
キティホーク
-
佐野権太
自由詩
21+*
07-10-24
海色のミュール
-
佐野権太
自由詩
32*
07-8-9
風待ち
-
佐野権太
自由詩
31*
07-7-4
抹茶佳人
-
佐野権太
自由詩
31*
07-6-1
進化
-
佐野権太
携帯写真+ ...
31*
07-5-10
夕焼けの小瓶
-
佐野権太
自由詩
18+*
07-2-19
心象探訪
-
佐野権太
自由詩
19*
06-10-25
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