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今よりずっと
空が遠くにあったとしても
心が近くにあれば
雲をつかめるかもしれない

今よりずっと
海が深かったとしても
心が近くにあれば
波を触れるかもしれない

今よりずっと
 ....
時が動いているから
飲みかけのコーヒーの熱は
どんどん放れてゆく

時が動いているから
人を愛する気持ちが
どんどん高まってゆく

時が止まってしまったら
花は散らない

時が止 ....
生まれたばかりの言葉は
まだ何も見えなくて
朝の光と音だけを
感じるままに反応する

言葉は意識を持ちはじめ
ようやく言葉は
言葉として目覚める

言葉は
見えるところへと
届く ....
遥か遠い昔
この海は空だった
雲の上を魚が泳いでいた
魚たちはいつも
海を見下ろしていた

遥か遠い昔
この空は海だった
水の中を鳥が飛んでいた
鳥たちはいつも
空を見上げていた
 ....
{ルビ銀=しろかね}の雪が空より
舞ひ落つる冬枯れの森
侘びしかる風の音聞けば
時移る草葉の思ひ

細やかに流るる川は
透き落つる冬枯れの森
悲しかる水の音聞けば
時映る雫の思ひ

 ....
今あなたが見ている空は
どんなにがんばっても
裏側までは見ることができません
けれども
その裏側を想うことは
できるはずです

今あなたが見ている人は
どんなにがんばっても
心までは ....
なぜこんなにも
何もできない自分がいるのだろう
がんばれば
多くのことができるというのに

なぜこんなにも
何もしない自分がいるのだろう
やりたいことが
たくさんあるというのに

 ....
紫色の光が
車のフロントガラスを突き抜けると
冬の夜を始める
光は焦点へ集まり
紫は黒に変色し
やがては海を創り出す

緑と赤の点滅が
眼球のレンズを通り抜けると
冬の夜を始める
 ....
今日は晴れたので
畑の土に足を踏み入れてみました
乾いた土が靴の中に入って
ついには裸足で歩きました

今日は晴れたので
あいさつがいつもよりも
大きな声でした
返事も大きな声で
つ ....
夢の中の街は
思っていたよりもずっと
重化学工業だった

建物はすべて
高度経済成長だった
メインストリートでは
地元の人々が
それぞれに近所話をしながら
いろいろな店へと入っていた ....
あなたは
簡単な挨拶をしただけで
ここから引っ越していきました

残ったのは
適当に結んであるだけの
数え切れないほどのゴミ袋
可燃と不燃の分別も
これでは識別できません

残され ....
賑わった砂浜は
今では自分の足音しかなく
しかもそれは
波風とともに消されてゆく

目の前に見える海は
今の海ではなく
遠い昔に見た記憶の海

狭かった砂浜は
今では自分の足跡しか ....
戦争を知らない子どもたちが
大人になって
大人の信用を知らない子どもたちが
大人になって
戦争を知らない子どもたちを知らない僕等は
髪の毛が茶色いと許されないなら
携帯電話を持つと許されな ....
しまい忘れた風鈴は
もうトンボは飛んでこないよと
話しかけてくる

夏は終わり
秋も過ぎ去る
汗の輝きは思い出

放っておいた植木鉢は
乾いた土だけが
黙ったまま

夏は終わり ....
君はもう見たのかい?
翼をもった
銀色の馬が
空を翔けてゆくのを
冬はこうして
やってくるのを

君はもう聴いたのかい?
いななくたびに
冷たい風が
地上に吹くことを
冬はこうし ....
心が枯れてしまったと
思ったとしても
君にはまだ
心の種が残っているじゃないか

君にだって
人と会話する気持ちがあるだろう
そう、それが心の種
そこからまた
新しい芽が生まれるのさ ....
空には空しかなく
梢の葉ははらはらと
大地に垂直に
それは昨日

空には太陽しかなく
落ち葉はひらひらと
大地に平行に
それは今日

空には心しかなく
光の葉はきらきらと
大地 ....
秋の空から声が聞こえてくる
 
 そろそろ交代だね

 気が早いね
 もう少しいるよ

 今年もがんばったね
 まあね
 白く塗るのがもったいないね
 今年はがんばれたよ

  ....
自分が他人よりも
不幸だと思うのは
他人も自分のことを
そう思っている

他人が自分よりも
幸福だと思うのは
他人も自分のことを
そう思っている

不幸も幸福も
他人が決めるもの ....
空の青さが遠くなる
秋の朝
それは同時に
山の芸術が近くなる

空の光が白くなる
秋の昼
それは同時に
山の葉が輝く

空の光が赤くなる
秋の夕暮れ
それは同時に
山が休むあ ....

私が学校に向かおうとする時
私と同じような誰かが

学校から帰ってくる
一人ぼっちで泣いている
仲良しの友達と遊んでいる
口げんかしている
夕ご飯を食べてテレビを観ている
飢えに ....
生きれば生きるほど
しなければならないことが
多くなってゆく
いいことが続かないことが
多くなってゆく
昔に恋した想い出が
まぶしいままに

生きれば生きるほど
すべきことが
多く ....
都会の中の植物園は
いつも静かなまま
大きな木の根は
下水道や地下鉄よりも
ずっと浅く
かすかでしかありません
雨をしのげる大きな葉が
静かに広がる

都会の中の植物園は
いつも黙 ....
明日と書かれた本が
売られていました
中を開けることができないその本が
不思議と気になって
ふと買いました

明日と書かれた本を
買ってきました
中を開けてみるとその本は
不思議にも ....
どこにでも行ける
風になりたい
遠くへ行ける
風になりたい

どこにでも飛べる
光になりたい
速く飛べる
光になりたい

風や光は
人間ではできない
すごい力をもっている
そ ....
雨が止んだので
図書館に行きました
誰が書いたのか
忘れてしまいましたが
旅行記に読み耽っていたことは
覚えています

雨が止んだので
靴屋に行きました
どこの会社の製品なのか
覚 ....
四角いビルの建物が
窮屈なので
海を見に行きました
岩がビルの尖った角を
削ってくれました

パソコンデスクが
狭いので
海を見に行きました
波がキーの叩く音を
飲み込んでくれまし ....
学校の校舎に
雨が流れてゆく
自然のままに
上から下へ
黙って教室から
外を眺める
雨は
流れるままに流れ
一日が終わる

自然は自然のままだから
自然がそうあるべきことが
正 ....
いつも一人で帰った通学路
部活でレギュラーにはなれなかったけれど
この道ではスーパープレイの連続で
この時ぼくはヒーローだった

いつも一人で帰った通学路
テストは平均点より少し下だったけ ....
秋の夜に車を走らせる

いつもよりも何か
エンジンが優しい
まっすぐな道のその上には
星が散りばめられ
宇宙を走ってゆく

いつもりも何か
ハンドルが柔らかい
曲がる道のその上にも ....
青山スイさんのぽえむ君さんおすすめリスト(60)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
今よりずっと- ぽえむ君自由詩9*06-11-17
時が動いているから- ぽえむ君自由詩15*06-11-16
言葉は朝に生まれ夜に翔け上がる- ぽえむ君自由詩11*06-11-16
いつしか人は道具になった- ぽえむ君自由詩13*06-11-15
冬枯れの森- ぽえむ君自由詩12*06-11-15
今あなたが見ているものは- ぽえむ君自由詩20+*06-11-14
なぜこんなにも- ぽえむ君自由詩12*06-11-14
紫色の光が冬の夜を始める- ぽえむ君自由詩9*06-11-13
今日は晴れたので- ぽえむ君自由詩10*06-11-13
夢の中の街は- ぽえむ君自由詩14*06-11-12
これをどうしろと言うのですか?- ぽえむ君自由詩9*06-11-11
秋の海は思い出しか語らない- ぽえむ君自由詩15*06-11-10
「戦争を知らない子どもたち」を知らない子どもたち- ぽえむ君未詩・独白15*06-11-10
花の美しさは幻- ぽえむ君自由詩12*06-11-9
君はもう見たのかい?- ぽえむ君自由詩15*06-11-8
心の種が残っているよ- ぽえむ君自由詩12*06-11-7
それは明日- ぽえむ君自由詩12*06-11-7
秋の空から- ぽえむ君自由詩7*06-11-6
生きているという証- ぽえむ君自由詩7*06-11-5
空の青さが遠くなる- ぽえむ君自由詩15*06-11-4
すべて今だから- ぽえむ君自由詩8*06-11-3
今が悲しくて- ぽえむ君自由詩12*06-11-2
都会の中の植物園は- ぽえむ君自由詩8*06-11-2
明日と書かれた本- ぽえむ君自由詩10*06-11-1
命の力- ぽえむ君自由詩10*06-11-1
雨が止んだので- ぽえむ君自由詩13*06-10-29
海を見に行きました- ぽえむ君自由詩11*06-10-28
時は響く- ぽえむ君自由詩5*06-10-27
いつも一人で帰った通学路- ぽえむ君自由詩12*06-10-26
宇宙をドライブする- ぽえむ君自由詩7*06-10-25

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