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二十三年間生きてきたのに
おめでとうのひとつも
満足に言えない
そのことについて
頬杖をついて考える
一人で
室内で吐く息は白い
ストーブは足元ばかりを熱くする

家 ....


そろそろ着陸する
と云うので
五人の宇宙飛行士たちは
めいめい
色鉛筆や携帯電話や文庫本やマニキュアなどをしまい
いやいやながらも手をつないで
着陸に備えた

しかしそれ ....
どうやら先日から
天井裏に
ねずみよりも大きくて
鳥よりも小さい何かの動物が住みついたらしい
夜になるとばたばたと走り回って
うるさいことこの上ない
ただ不思議なのは
わたしの真上で必ず ....
左手しかポッケットに入れられないのは
右手で傘を持っているためで
少し泣きそうな顔をしているのは
暗くなると君を思い出すからである

急ぎ足なのにけして駆け出さないのは
帰り道の途中に墓場 ....
道端に
鳥の死骸が落ちていた
それは
不時着した飛行船に似ていた

埋めてやろうかと思ったが
埋められるような場所などどこにもなくて
お祈りをしてもしょうがないが
思わず手を合わせてし ....

友人に
擬態する癖のある女がいる

よく家の中で
かくれんぼうをする
二人で
わたしが鬼で

十数えて振り返ると
家の中はしいんとして
空気がうす青い
百年前からこうし ....

ずいぶん昔
わたしたちは恋人同士だった
あんなにも完璧に
理想的な形で
つながっていたのに
満月の夜だっただろうか
わたしが
あの柔らかな部屋から
いとも容易く
追放されてしま ....
ごまたれさんの吉田ぐんじょうさんおすすめリスト(7)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
おめでとうの仕方- 吉田ぐん ...自由詩2407-1-12
家族制度(又は宇宙旅行)- 吉田ぐん ...自由詩1307-1-9
かまいたちを一匹。- 吉田ぐん ...自由詩1207-1-7
種々の理由- 吉田ぐん ...自由詩2107-1-6
鳥の死骸- 吉田ぐん ...自由詩1007-1-4
癖のある男女- 吉田ぐん ...自由詩2107-1-2
断片集- 吉田ぐん ...未詩・独白1307-1-2

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