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屋上を流れる雲を見ていると
愚痴ばかりが口をついてくる
誰に聞かせたいわけでもない
一人の気楽さは知っているつもり
チリチリと音を立てる煙草が
すり減らして行くのは時間だけ
何処かで置 ....
今の瞬間を繰り返しながら
生き延びているだけのこの姿は
その小さな四つの瞳に
どんな風に映っていたのかな
幼い頃から何度も摩り替えつつ
一つを否定して一つを肯定して
いつしか永らえるだ ....
ビルの谷間で風が巻く
舞い上がる枯葉を集め
粉々に引き裂かれた夢屑
空に溶けて消えていく
電飾の輝きを纏う聖母像は
美しい無表情を晒して
渋滞の国道を見下していた
履きなれない靴 ....
噛んだ唇から
滲む血の味
鉄と酒と汗が混じり
この上なく不味い
今日も視線が通り過ぎた
降りかかる事の無い声が
目の前で遊んでいる
枯れた涙が頬を伝い
無為な恨み言だけが
今 ....