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――油膜のような色なんだ、赤にも緑にも見える。
Tはテーブルの上のカップに視線を注いだまま
落ち着かない様子で呟き口に手を当てる
僕は僕で
冠雪して間もない山なみを窓ガラス越しに見ながら
....
この惑星のこのあたりはそろそろ晩秋で
赤く色づきはじめたハゼの葉が
窓の外に揺れ
この惑星のこのあたりはそろそろ夕刻で
暗くなってきた室内に
パソコンの画面がまたたき
またたき
....
まずは詩をひとつお読みください。
著作権は切れております。
***
「琉球娘仔歌」佐藤惣之助
その黒髪の上(へ)に瓜籠やのせて
その黒髪の上に仔豚やのせて
紅藍(べに)の花よま ....
端的に言って金と暇がない。頭にくるほどない。ないのだが詩を読む。寸暇を惜しんで読む。詩も書かずに詩を読む。最近ほんとにほとんど詩を書いてない。とゆーか、書けない。ここに投稿してる私の詩は古いのばっかだ ....
すき透る十三夜とぎれた会話を惜しむ
出逢うとしてもそのさきは五里霧中
きらきらとまたたく七夕飾りをさげていても
すくすく伸びた若竹は四季を知らぬまま枯れる
がくがくと堕ちてゆけばああ八面玲 ....
なんとなく後ろめたしと思へども夜に備えて眠る日盛り
働くも働かざるも自由なり君に逢ひゆく自由なしとて
ロボットの腕は緻密に動きゐてその暖かき体温あはれ
深夜0時冷たく硬き弁当を昼飯と ....
森はあたしの同級生で
森というのは苗字ではなく名前で
苗字は山田とか佐藤とか鈴木とか
そういう犬のクソみたいなたぐいだったと
思ってほしい
あたしはいつも森とだけ呼び捨てにした
mor ....
腰のものを赤く染めて鳥が鳴く。
うぶめ、と呼ばれる鳥である。
産の穢れに死んだ女は鳥となる。
ほう、と鳴くが聞こえるか。
生まぬとしても女は女と男は言う。
うぶめの悲しみを知らぬは幸福と ....
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