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うなじにもいて
みぞおちにもいる
雨はいろんな速さの生きもの
応える声に重なってゆく


肌をついばみ
葉のようにすぎ
甘く指を噛み
飛びたつしるし


強さでもな ....
そのままの静かな脚の間から
見える色は枯葉だった


風と風ではないものの境に
あなたは立っていた


空き地に囲まれた家が
はじめて舞うもののようにふるえてい ....
流れはじめる雲はみな
夜の灯りに焼けたように
薄暗く赤く降りてくる


あの雲のほうに行くのだ
町をがさがさと覆い隠す
あの雲の視線を向くのだ


曲がり角を ....
低い雑音が
長い指で部屋を握る
振り落とされそうになりながら
いつかは終わる
いつかは終わると
言葉を噛みしめながら
揺れを震えを聴いている



誰の声にも触れ ....
かえで
水の かえで
誰のものにもならない鳥が
目をふせ
何かを見つめている
少しずつ
少しずつ ひらく羽


雨の朝のかたすみの火
濡れた葉の色
羽の色

 ....
自転車の前輪の
音も姿も消えてゆく
ただ後輪の影だけが
どこまでも自分を追い抜いてゆく


見えなくなる 見えなくなる
夜の光の下
深緑の猛者
おいしげる
おい ....
果実のように眠る蛇が
枯れ木の枝に揺れながら
見知らぬ少女に呑まれる夢を見ている


少女は蛇を知っている
眠ったままの蛇の頭を
深く口に含んだとき
無味の毒が舌を ....
棄てられた道のざわめき
野に沈んだ鉄の轍が
震えるたびに運び来るもの
蒼と紫の光が軋み
激しく小さな 
数え切れない夜になり
雲を鳴らす音とともに
草の波をつくりだ ....
咲くものを追い
影は葉のように落ち
描かれた歌を隠した


ふと混じりあい
ふと離れ
振り向き
微笑む日


影は速く
光は遅く
まわりつづける


 ....
花が居て
狂いたい
と言った
なにもしてやれないので
川にうつる枝のなかに立ち
はらわたの森をひらき
ここにお入り
と 言った


蝶が来て
狂いたい
と言 ....
やぎしきさんの木立 悟さんおすすめリスト(10)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
水泡軌- 木立 悟自由詩607-2-1
ノート(ふるえ)- 木立 悟自由詩703-10-29
九月散景- 木立 悟自由詩203-10-29
十五の春の走者- 木立 悟自由詩603-10-24
- 木立 悟自由詩303-10-24
ノート(40Y.7・4)- 木立 悟自由詩403-10-17
ノート(終冬の蛇)- 木立 悟自由詩803-10-12
鉄と緑- 木立 悟自由詩803-10-9
奏者- 木立 悟自由詩603-10-7
ノート(緑透火)- 木立 悟自由詩1703-10-6

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