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あたしが娼婦だった頃、いつもお客様に「奉仕」をしてあげていた。
禿げ上がった、どこかの社長。「えらいさん」を相手に。
顔を見ただけではきそうな程に脂ぎってて。
あたしはむなしく、おじさん ....
「ばかね」
彼女が笑った。
俺は初めて、ばかでよかったと思った。
魂が燃えて。かすんでって。消えたのを見ました。
一生懸命、生きていました。
泣いたらだめだと思い、こらえたけど。
何か、私はできたでしょうか。あの子に何かしてやれたでしょう。
届かない ....
枯れた野草は毒を抜かれ。枯れた人は死を選ぶ。
疲れたあいつは、死神を呼ぶ。
そいつに、言う。
「おいらの枯れた魂持ってけ」
「イヤだね。何の価値もね〜。いいか、魂ってもんはなぁ ....
あなた、雄一郎さん知りません?
どこかの馬鹿女が聞いてきた。
あたしはすました顔で言ってやったんさ。
「知らないよ」
そうやって馬鹿みたいに探し続ければいいんさ。
....