すべてのおすすめ
 
長い針がてっぺんで止まって
からくり人形が踊りだすように
季節は正時を知らせないので
私には夏と秋の境目が分からない
午後いつものように並木道を通ると
すっかり中年になった白樺の深緑
 ....
 
並木道に
誰かの日傘が忘れられているのを見つけ
持ち主の名前がなかったので
失敬することにした
けれど自転車のかごに引っ掛けて
ペダルをこぎだしたそばから
日傘は陽を浴びて匂いたち
 ....
お元気そうでなによりでございます                                 
半年ぶりのごあいさつにまいりました                                 ....
今日ハナミズキの花が見えたよ                                                                  
もはやぼくの内側に          ....
おとついのおかあさんは にんげんだった
たまにようじを すこしわすれた

きのうのおかあさんは にわとりだった
さんぽあるいて ことばをわすれた

きょうのおかあさんは はとぽ ....
その本を手に取るたびに
同じページばかり開いていたから
今では机に置くだけで
パラパラと そこへたどり着く

私の心の傾きが
そのまま しおりになっている
半身透明のガラス窓の向こうで視界が勝手に傾いて
電気スタンドを次々を倒して
薬瓶の入ったポケットから取り出した丸い地球の
模様を虫眼鏡で確かめていきます

立ち上がった椅子の前でテレビの ....
また降ってきた
ぼくは樹木に身をよせ 心を
誰からもみえない角度にかたむけて
ときおり
満ちてくる静けさを
溢れるまえにこぼす
こんな美しい雨のなかでは
ひとも盆栽のように育つだろう
全然違ってしまったときには
炭酸のような音楽を



太陽が間近の窓で
メッセージを少しだけ受信する先の
光って白くなってしまって
見えないのは
ただの 気のせいさ




 ....
みえこ                                 
きみはぼくの肉体の                           
ひいていく最後の熱量をはかる者          ....
生臭い肉体を焼きすて                                          
骨と ....
いま言おうとした言葉を                                 
忘れてしまった                                     
なにかが胸骨のす ....
紙に書いてください
書けるものならば紙に書いて
紙に書いたそれを見せてください

世界を
モニターの向こうにまで感じるとるためには
第六感まで動員しても
なお追いつかないような想像 ....
イサムノグチの照明が初日の出の海岸線に貝殻が妙にピンクなので酔った君の頬の白いきめが細かい粉雪の降る夜を濡らし夢で枕を乾かす海辺のゴミが眩しくてブラウンシュガーなテトラポットでビッグウェーブにハートビ .... 気がつくと
捨てようとした広告紙の裏一面に
ひとつの名前を繰り返し書いていたりして
それがまた
自分でもびっくりするくらい意外な名前で
戸惑うというより不思議な気分になってしまって
驚愕と ....
おぎゃあ
 
 
 
 
一字一句間違わないように強要された私のからだに
それとなく触れるだけであなたは最前列から並べら
れた裸体ばかり順番に、顔だけは別にするようです
 ....
足のないネクタイは
人の首にぶらさがって移動する
それも不便だろう
足をつけてあげると
嬉しそうに部屋をかけまわり始めた
帰ってきたら
スキップの仕方を教えてやらねば
今日も足のつい ....
母さん、
ほら、春の風が吹いて

そろそろ僕も
行こうかと思います

春の風は早足で駆け抜け
いつも、僕は一人残されてしまうから
風のすべてが海の向こうに渡る前に

そろそろ行 ....
ほの暗い駅
列車の中で一点を見つめている
あなたの眼差しを見送る

”お気をつけて”

その一言だけが伝えたかったのだけれど

ベルが鳴り止んで動き出したのは
列車ではなく
ホ ....
翼が水面に
触れるか触れないか
それを楽しむ
それが飛ぶ者の在り方

傾けて弧を描いて
差し伸べて
張り詰めて
愛するように
触れずに

飛ぶために身体のあらゆる部分を
作り変 ....
 この頃 冬といっても
 僕の国や
 何も知らない人達の国では
 ギリシャ世界のアネクメーネのように
 どんなに寒くても
 明日への蓄えがなくても
 火の点し方さえ知らなくても
 飢 ....
  感じない掌の上に
  鳴かない鳥が
  人のように瞼を閉じる

  冷たい雨の降る
  コンクリートの上で
  静かに眠りにつく
  戯れるように
  温度を残して  ....
Aliceと書いてアリサと読むの、
と女は言った。
黒の手袋をベッドサイドに垂らし人工の月明りの中で背中を見せる
のは初めて、
と女は薄く笑う
きしむ音はチークの椅子かチープなベッドかそれと ....
勇猛果敢な、奮立つやうな、そんな詩を書けと言はれた。
だから男は詩を書いた。
勇猛果敢な、奮立つやうな、そんな詩を書いた。
二十年前だつたら書かなかつたやうな詩を書いた。

怠惰に醉ふてスラ ....
あんちゃん大学出の新人か
ゆくゆくは幹部やな
まあ研修期間は「ご安全に」やな

あ〜
かっこ悪う
そんなピチっとした作業服にするさかい
ちょっと踏ん張っただけでケツが破れてまうねん
ま ....
古本屋の女主人は
若くて
美しくて
両の目の間が人より少し離れている

本をめくりながら
チラリとその方を見たりすると
何故自分が生きているのか
時々わからなくなる
二年振りに
帰ったときには
通夜はもう始まっとった

大往生や
ええ顔しとるやろ
せやな

いう声が ぽつぽつと
わしは
なんでか 
涙もでえへん
ここ何年も口きいたこと
あ ....
ゆらゆら揺らめく
かげろうの下にある水に入りたくて
僕は走り出そうとする

遠くに行っちゃだめよ

手を引き寄せられた
夏の日のいつか

日傘を差した母を困らせるなんて
したく ....
 みんなおらっちのこと
  さんらー 
 ってよんでるけど
 おらっちはもっとちゃんとした
  せいとく
 っていうかっこいいなまえがあるのに
 でもかんじはかけないからさ
  さんらー ....
朝が沈黙している
少し開かれた窓辺の片隅で

その隙間から海に似たものたちが
ぼつり
ぽつり
と入り込んでは
満たそうとしている

出会ったばかりの幼子は
「さようなら」と ....
バンブーブンバさんの自由詩おすすめリスト(106)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
正時の鐘(緑の日々・2)- 石畑由紀 ...自由詩804-2-3
緑の日々- 石畑由紀 ...自由詩2404-2-3
ごあいさつ- よねたみ ...自由詩504-1-31
ハナミズキ- よねたみ ...自由詩504-1-31
わすれもの。- 自由詩604-1-22
しおり- 石畑由紀 ...自由詩2704-1-22
夕闇ガラス- あやさめ自由詩504-1-17
また降ってきた- よねたみ ...自由詩704-1-15
炭酸のような音楽を- nm6自由詩604-1-15
みえこ- よねたみ ...自由詩804-1-14
生臭い肉体を焼きすて- よねたみ ...自由詩704-1-12
いま言おうとした言葉を- よねたみ ...自由詩404-1-11
それがもし詩という何かであるならば- 小池房枝自由詩10*04-1-11
ハートビート- nm6自由詩304-1-8
- 佐々宝砂自由詩504-1-3
飛光- ワタナb ...自由詩2004-1-3
ネクタイ- たもつ自由詩904-1-2
旅立つ- たもつ自由詩1603-12-28
発車ベル- たもつ自由詩3203-12-18
鳥として- まんぼう自由詩403-12-14
冬越し- AB(な ...自由詩1003-12-8
優しい鳥- つきのい ...自由詩2903-12-7
『Alice』- 川村 透自由詩6*03-12-6
贅澤品- 佐々宝砂自由詩103-12-6
ネジ締めたろか- AB(な ...自由詩1703-12-6
- たもつ自由詩903-12-5
おかえりだけで埋まってゆく- AB(な ...自由詩7*03-12-4
かげろう- たもつ自由詩803-12-3
さんらー_は- AB(な ...自由詩1403-12-3
卒業- たもつ自由詩503-12-1

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