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ぼくのだいすきなキリンは
いまは海の底に居る
まだぼくの魂が
果実のようにやわらかだったころ
キリンが夜泣きをやめられないぼくの
なみだをそっと舌でぬぐってくれたのをおぼえている
キリ ....
いき・いき・息をする
いきている、
それはとうといものだって
胎児だって知っている
重金属のスプーンで
カキだされたこどもたち
かれらの蚯蚓のような
ちいさなゆびとゆびに
クレヨン ....
はるかにはるかにむかし
誰かがひとみを伏せることをやめた
それから今までずっと
空は空
何百億のあこがれを吸い込んでなお
変わらないのか
ぼくらが自由になれないのは
ぢめんに足のうら ....
水族館が好きだった
おおきな魚が好きだった
わたしはまだちいさくて
背伸びして水槽に額をくっつけた
ガラスは冷たかった
わたしの目を奪う
彼の名前をわたしは知らなかった
ピラルクーが ....
長いトンネルの先
君を見つけたのはいつだっただろうか
薄暗さに慣れた僕の
からだをくるんだあたたかさに
立ちすくんで息を呑んだ
君の真下を歩いてゆくよ
熱い旋風に身を焦がし
夜に冷え ....
ぼくはいま立っている
かなしく縮んだみじかい羽を抱え
忘れてしまったのだ
とうのむかしに
空をゆく彼らは
かつてはぼくの隣にいたはずだが
大自然の
そのてのひらの
甘やかすまま ....