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赤く染まっていく電信柱の向こうに
夕暮れが突っ立っている
突っ立っているその背中めがけて
君が思い切りボールを投げつける
力の限りの全力で
見渡す限りの赤空へ
思い切りボールを投げ ....
その花の残り香を
私は憎む
枯れて捨てられた今も尚
微かに 確かに 残るその存在を
私は憎む
その花はとても美しく
それでいて派手さの無い落ち着いた面持ちで
場の暗く重たい空気を少し ....
両手いっぱいの憎しみで
ふくらませた青い風船
それを今
ベランダからそっと飛ばす
それは思うように
遠くへと旅立ってはくれず
ただ あたりをふわふわと漂い始めた
部屋に戻り
静か ....
書けない言葉の奥の
足りない夕日の中に
今も聞こえている風景がある
諦めたその視線に映る手のひらと
日々表情を変えていく ベランダの空
懐かしむかわりに そっと靴を履く
今の僕らな ....