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右手のスティックで地球儀を叩き壊す
白い硝子の地球儀
粉々に砕けて、僕の指を傷つけた
左手でラジオのスイッチをいれてみる
{雑音=ノイズ}と衝突する人々の声
嗚呼、あれは
最後のファン ....
街外れのバス操車場の裏に
遊園地はひっそりとあった
中心には音楽を鳴らしながら上へと向かう
ゴンドラのようなものがあった
一番高いところに着いても
近くにある民家の壁や窓しか見えなかった
....
ちいさな姉さんたちが
あぜ道を鮮やかに歩いていく
カモミールとか
ベルガモットだとか
とても香りの良い会話をしながら
ちいさな光る粒を落とし
それを知らずに踏んでしまうと
しばらくの間、 ....
ホリデイ
青空にはためく白い洗濯物
私は音の出ない口笛を吹きながら
遠くに走る車のきらめきを見ていた
いつか見た潮騒のようだとふと思う
あなたはまだ帰って来ない
風が気持ちいいわ 春のよう ....
桃の味なんてしないわ
紅茶に潜ませた桃色が匂うだけ
真っ赤なソファが拒絶
白いシーツの群れが
羊に見えたのは内緒
絡めた指から零れたのは
夜粒の欠片だとあなたは言うけど
違う ....
丸い生きもの
閉じかけた
小さく細いまなざし
右よりも左が大きい
風で傷んだ
艶の無い肉体
自分のための四肢を失い
うるおいだけがあふれんばかりの
何も感じず
何も見 ....
石灰岩を持ち出すと秘密が暴かれる
理科室の白衣はいつもハンガーにかけてあって生きてるみたい
夜十時にすべての生徒がその話を思い出し
目を覚ます時のテレパシー
放射状に伸びてちらばる色付き針金
....
駄菓子屋で買った苺味のキャンディー指輪
ルビーねと
くるくると踊るようにスカートがゆれる
まるで白い蝶ちょのようなきみの左手をとって
色とりどりの光が射しこむステンドグラスの前で
厳かに指輪 ....
此処には白い鳥篭が在るのです
小鳥を捕らえて閉じ込めませう
白い羽根
青い羽根
赤い羽根
此処には扉が在るのです
少年を捉えて銀の鍵をかけませう
白い心臓
青い ....