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禁色の恋醒めやらぬ夕べにはピアノ奏でつ思ひを凝らす
春兆す空を二つに分けるごと
飛行機雲は青き陽の中
入院の友に送られ外に出る
日照雨の空に冬の虹たつ
京都には冬が似合ふと初雪に
神戸の人は寒さも加ふる
子等達が どんぐり寄せて ....
わけもなく心和める夕暮れや
秋はやさしさ運びくるらし
音たててころがりて行く空き缶に
信号待つ間の視線集むる
夜半覚めて物読みおればしぐる音
しばししてより また止みにけり
木 ....
「今四条通りに居るし出てきいひん?昨日の喧嘩は白紙に戻して」
「なら広隆寺で泣き仏像でも拝む?」「今どこにいる?」「外語大前」
バスよりも歩きが似合うこの気持ち 天神川を静かに下れ ....
目の前の妖しき影に いぶかるも
あげ羽蝶なり 思はず和む
草の実も少しふくらみ見えてきし
秋に入りゆく風の移ろふ
目の前に子蜘蛛落り来てテーブルの
上を正しく距離おきて飛ぶ
....
真向ひし雪大文字に息呑みて
崇高なる美に心洗わる
鴎には雪が似合ふと久々の雪積む
景色川辺に立ちて
乙女子が幸せそうな顔をして
隣に座る夜の地下鉄
口紅をつける事なき此の日頃
....
サンダルの指さき焼いて終わる夏
さわぐ波音遠くに聞いて
誰もいないパラソル揺れて砂浜に
思い出さえも続くスナップ
飲み干したカルピスウォーター氷だけ
....
薄墨で描いたよな枝川沿いであの横顔を思い出してる
霹靂の濃灰嵩むその下の頭の中の雲を案じる
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るりいろの
てふてふとまる
しいのえだ
いみじくをかし
あさすずみかな
何度でも愛しているとくり返す
雨打つ窓にムスカリ蒼く