すべてのおすすめ
コード類の滝がフローリングの渓谷に叩きつけて
ゆったりと迂回する河を身体の外側に滑らせる想像と
いつかのきみに
ルーム・サーヴィスが落雷のようにやってきて
落ちていった記憶思い出し笑うような冷 ....
/雨が降ってる
小さな砂漠なのだと思う
講師は教壇に立ち
黒板に自分の名を書く
「倉持康雄」
はじめまして、倉持です
皆さんにとって実りのある研修 ....
揺れる草の歌を
聴こうというのだろうか
歌おうというのだろうか
草の名も
知らないまま
指先が風を求めている
腕が踊りだして
足取りは流れて
太陽の光に浮かれてしまえば
もう
ここ ....
パパpapaなんでトトロ
はあーうーってゆうか知ってる?
アウ タ コタン (アイヌ のコトバ)
隣 の 村
はあの世のことを言うけど アウ とは 会
....
.
笑う事をやめた月
わたしはそれを
悲しみと呼んだ
いつからかわたしたちは
色を忘れてしまい
光を失ったまま
月と一緒に
やせほそっていく
ここは
あの人のいない ....
(高架下で)
雨が静止する、ノイズは、
細かい
画家は絵を描き、___
作曲科は音符を記し、___
詩人は、川岸、
意味を、安楽死させる___
....
淡く
夢にいた人は水彩でした
*
(あ、)
こめかみとシーツの間に
かすかに染み入り、そこから
まぶたに明けてゆく一筋の朝の滲みに、すっと
打 ....
ぼくは没落しよう
三角錐にきみをうつそう
頂点からわらいかける運動は
ひろがりかけては相殺されてゆく
そしてきみの弾力が
つきささるだけだというのならば
ぼくは止まりきっていて
ほんとう ....
その少年は、少女で動いていた。
少年のどこかに少女が埋めこまれている。
少年はときどき吐き気がする。
そういうとき、たいていそれは夜だけれど、砂浜を思い描く。すると、少女が少年の砂浜を歩 ....
裸身の雪が
ぼんやりとした
遠いほたるとなっておりてくるので
あまやかな
姉の匂いにみたされたまま
結露にぬれた窓の外をのぞく
(紙の野原で北風が笑っています)
雨の日の ....
輪の裏で
小人の群れを掴み
握り潰す
手の端から
零れる体液を頬に塗ると
始まりと終わりの境界を見ることのない
私たちが
夕日を捕らえ
夜に
引きずり込んでいく
えりくすま、え ....
人形の人の死体が
石積みの河原に落ちていた
右ひじから先が無く
首も変な角度で曲がり
埃と泥にまみれていた
見たことのある人の死体は
どれもきれいに整っていたので
とても汚らしく ....
セミの抜け殻を
たくさん集めて帰った
何となく
母にほめてもらえる気がした
母はパズルのピースが足りない
と探していた
父は受話器を握り
そこをなんとかお願いします
そう繰り返 ....
はずされてからは 机に
並んだままのコルク
昔いた場所には
白と黄色の花が
さし込まれている
細い緑の茎から
吸上げる水は
今は 無関係な液
祝うために届けられた
紅い液 ....
姿勢正しくおすわりする
椅子がたてる悲鳴
僕らの部屋の空気を汚す
一生懸命窓の掃除をしてる君を眺めてる
黴まみれの窓
灰色の壁に白いチョークで描いただけの窓
そ ....
ごらん
はらはらゆく、
あれは、
空気から砂地へ
落下してゆく、あれは、
公園の
あらゆる輪郭をなぞる夕刻の光の
限られた範囲をなぞられればいい
限られた範 ....
朝の車の中で
おばあちゃんは
他のお婆ちゃん達に
七色のあめ玉をくばって
僕にもくれた
「 このあめ玉をなめると
元気百倍ですね 」
というと
おばあち ....
どうして足のうらなのに
土を踏まないのだろう
そんなに凹んで
まっしろな砂丘のように
いつかほんとうの
おまえの生まれた土地を
踏みしめるためなのだろうか
いつかほんとうの
おまえ ....
脈を取ると指先に
セミの鳴き声が
伝わってくる
僕らの身体の中にも
駆け抜けていく夏があったのだ
どうかお元気で
手を振り
手を降り返したあなた
あの日に
友だちでいてくれて良かった ....
?.
あなたを
あなたのすてきなところを
一日
大切にする
あなたを
あなたの汚れたところを
裏返して
日に透かしてみると
おかしな影ができるから
その影に指で ....
僕らは空気を育てた
空気を育て空気と遊んだ
外を連れて歩くと
人はそれを風と呼んだ
空気は僕らを食べて育った
食べられて僕らは
その大きなお腹のようなところで
何度も生まれかわった
何 ....
押入れの中で目覚めると
いつものように優しくなってる
手も足もおもいっきり伸ばして
指先の細かい部品までもが
思いやりに溢れている
感謝の言葉は誰に対しても
正確に発することができ ....
ありがとう
ありがとう
中村先生
ありがとう
ありがとう
ありがとう
一パーセントに
当てていただき
ありがとう
ありがとう
ありがとう
ぼくの妖精を
壊してくれて、
....
布の風が樹々を伝い
夜の空を見つめている
蜘蛛のかたちをした声が
枝をめぐり すれちがい
会話ではない会話を残し
夜の空を昇りゆく
雲に映る歪んだ輪から
光と言葉の鳥 ....
{引用= あのひとの記憶がしずむ海は、いつしか防砂林で見えなくなった
越えられない高さに、すこし安心した}
砂が、降って
深く深く沈んで 底まで
皮膚 ....
裏庭から
雨音に紛れて
犬が落下していく
音が聞こえる
どこまで落ちていくのか
犬にも僕にもわからないまま
犬は落下し続け
僕は音を聞き続けている
少し傲慢に生きてきて
思い ....
父が酒乱で母に暴力を振るっていたのを憶えている
母は父に怯えていた
父はしらふの時には優しい人だったので俺としてはどっちやねん!という感じで安定した心地がなかった
熱が出ている時に父が甘えて ....
三本目の脚の脈打ちを性器に感じながら、夜はたちうかぶ精気たちを無数の舌でささえてゆく。いまだ散開しつづける空の屍骸が夜のなめらかな声帯をたきつけて、金属のすりあう音をたてさせている。人と人との間には巨 ....
銀色の刺に、凍える、空気は、
青い空の下で、
白い、息をつき、声がもれる、
頬の骨に、拳が石のようにあたる。
わたしは、
バラ線を後ろに、殴られる。
放り出された、ランドセルの黒い光。 ....
わたしがむやみに数えるものだから
蛍はすべていってしまった
わたしが思い出せるものは
ひとつ
ふたつ
と
美しい光
いつつ
むっつ
と
美しい光
けれどもそこ ....
1 2