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“その名前で呼ばないで下さい”
“約束ですよ”


昔の夢から目をさますと
見なれた白い天井が水晶体に写りました
ベットから見える空の色は群青色に染まっています
いつのまにか眠って
 ....
“眼鏡の度があってませんよ”
 
俺には死神のじぃちゃんがいる
母さんの名付け親だ


父さんが死んでから
母さんは死神のじぃちゃんと二人暮しを始めた
俺が面倒を見ようかとも言った ....
“真夜中に雨が降ると良いですね”
押さえ切れない怒りの中で
死神の言葉はそれだけしか聞こえませんでした



息子が一人暮らしを始めました
あの子にも手がかからなくなって
お互いに二つ ....
“言葉にはきちんと止めを刺してあげなさい”


俺のじぃちゃんは死神だ
母さんの名付け親だから
血が繋がっているわけではないけど
昔からよく遊んでもらって今も良く遊びに行く
命がかかわる ....
“かえりみちでほたるをとってきてください”
平仮名ばかりのメールが届いたのは
電車が駅にすべりこんだ瞬間でした


アドレスは息子のものでしたが
明らかに使いなれていない平仮名と文調子 ....
“白い蛾が産まれると困るのでしばらく家を出ます”
“追伸”
“白い蛾を見ても殺してはいけませんよ”
こんな置手紙を残して
死神が家から居なくなりました



いつも一緒にいた名付け ....
“回転木馬は月夜が本番ですよ”
目の前をスキップしながら語る死神の後を
私は諦め半分で歩いていました


夏の果実は真っ赤に熟しているというのに
少し遅めのマリッジ・ブルーが私を襲っていま ....
“夜霧よ今夜も有り難う”
風呂場からのん気に聞こえてくる鼻歌を尻目に
私は部屋を出ていきました


前前から
死神の電波加減や頑固さには目を瞑って来ました
でも今回ばかりは限界です
私 ....
“朝は優しく起こしてください”
というのは
寝汚い死神のきまり文句です



名付け親の死神は寝起きが最悪です
五個の目覚ましなど死神の眠りの前では無力なので
死神を全力で蹴り起こすこ ....
“電車に乗る時は”
“なるべく人の多い車両にのりなさい”
“蒼い電車に出会ってはいけませんよ”



口うるさく喚く死神を後に
私はドアを閉めました


名付け親の死神は時々どうし ....
最初に
プラネタリウムの作り方を教えてくれたのは
祖父だった


天文学者だった祖父は
黒い画用紙と豆電球で
あっというまに
掌サイズのプラネタリウムを作った

黒い画用紙には
 ....
また『薬指』を拾った
今月で3本目だ

白く細い
白魚のような指に
上品なシルバーのリングが
しゃん、と通してある
今まで拾った中で
一番美しい薬指だった


いつものように
 ....
“夜に抱きしめられてはいけませんよ”
というのは
死神の口癖です


死神は
私の名付け親です

両親を無くした今
一緒にくらしています
命にかかわる問題以外は
かなりアバウトな ....
明け方に

貴方様の

その
乱れた
長い黒髪を

結い上げるのが
私のお仕事でございました



脱色も
染色も無い

真っ黒な
艶やかな
濡羽色の御髪に
{ル ....
真夜中
雪の解ける音で
目が覚めた

窓を開けると
まだ小さな
『春』が
窓枠に腰掛けて
せっせと雪を食べていた


時々
喉に詰まらせて
せき込むので
背中をさすりな ....
黎明は午睡の中

夜明けを望まず

覚めない夢を見る


もう目覚めないで



『眠れる森の』



知人が交通事故で
植物状態になった
あまり親しくなかったが
 ....
とある人形師が
水晶と真珠と白金を使つて
一体の絡繰り人形を作つた


(キリキリキリキリ)


人形は命も無いのに
笑顔で首を動かして


(キリキリキリキリ)


 ....
1陣の風突っ切って
2つ目の角を曲がったら
3軒隣りの奥さんに
4度もくしゃみをプレゼント
5秒の間に
6里を走り
7つの海をまたにかけ
8コの街に季節を告げる
9【く】労もしたが ....
浅草の古い映画館が
今年いっぱいで閉館になる

その知らせを聞いたのは
年も暮れかかっている師走だった



『映画館の恋人』



祖母は映画好きな人だった
忙しい母に代わ ....
最期の最期で
酷いことをする私を
憎んで下さい



私は明朝に死にます

信じられないことかもしれませんが

ちょうど三年前

死神が枕元でそう言ったのです



死 ....
シリウスが綺麗になったから

息子と一緒に
夜の海へ出かけた

星の匂いが鼻をつく


息子の手には
骨董レベルの携帯が握られていて


それは
息子の母親の持ち物だった
 ....
最近寝ても夢が見れなくなった


夢テレビが壊れて何も映さないらしい


町に買出しに出かけた





毎晩毎晩使うのだから
やっぱり今の時代夢はカラーだと思ったり
 ....
{引用=私と奴は                   僕と奴は
お世辞にも                   お世辞にも
仲良しとは言えなかった            仲良しとは言えなかった ....
僕はスプートニク2号
地球初
気密室を搭載した
宇宙船


まもなく
僕は
他の兄弟と同じように

宇宙の塵となる
鉄の塊


その日
僕の部屋に来たのは
いつ ....
傷つけたいと思うと同時に

私にしか癒されない君を見たいと思う


壊す
直接手を下すので無く
内側から
自壊させる




パラパラと零れ落ちる
君の破片をすりつぶして
 ....
深夜列車の中で
丸々太った
『マルチーズ』と

四角く太った
『ヨークシャテリア』を
見た

2匹とも制服を着て
高校に行っている

『らしい』

昨今
こういうのが増 ....
愛心さんの蒸発王さんおすすめリスト(86)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
死神と私_−旅に出るから−- 蒸発王自由詩9*06-2-25
俺と死神_−夕焼け眼鏡−- 蒸発王自由詩9*06-2-25
死神と私_−真夜中に降る雨−- 蒸発王自由詩8*06-2-20
俺と死神_−失恋の殺し方−- 蒸発王自由詩10*06-2-19
死神と私_−蛍の光−- 蒸発王自由詩7*06-2-19
死神と私_−白い蛾−- 蒸発王自由詩10*06-2-16
死神と私_−回転木馬−- 蒸発王自由詩7*06-2-14
死神と私_−夜霧よ今夜も−- 蒸発王自由詩8*06-2-11
死神と私_−朝の卵−- 蒸発王自由詩10*06-2-9
死神と私_−蒼い電車−- 蒸発王自由詩11*06-2-7
ジジ星- 蒸発王自由詩5*06-2-4
薬指の標本- 蒸発王自由詩7*06-2-2
死神と私_−夜の腕−- 蒸発王自由詩11*06-2-1
黒蝶々- 蒸発王自由詩206-1-25
冬の味覚- 蒸発王自由詩506-1-22
眠れる森の- 蒸発王未詩・独白106-1-16
人形芝居- 蒸発王自由詩3*06-1-16
お遊び- 蒸発王自由詩205-12-30
映画館の恋人- 蒸発王自由詩4*05-12-28
恋文- 蒸発王自由詩405-12-17
シリウス- 蒸発王自由詩5*05-11-18
夢テレビ- 蒸発王自由詩205-10-30
にわか雨- 蒸発王自由詩405-10-23
スプートニクの泣いた話- 蒸発王自由詩905-10-15
蕩けた歯痒さ- 蒸発王自由詩304-5-10
人面犬- 蒸発王自由詩204-5-2

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