ひつじ雲見上げて
ずしん、ときた
そっか
会えないって
こういうことなんだ
一緒にこの空を
見上げることさえ
できないんだ
この空の下で
あのひとは
わたしの知らない
....
ピッピは嫌いだ、すぐ牛乳の話ばかりする。
「ピッピなら飼っていいでしょう」「ダメよ難しいのに」
てーんてててーんててーん ピッピー!! はーい
ピッピ ....
ほら
こうして
鈴をつるしたフラスコの
空気をだんだん抜いていく
鈴の音はやがて
震えるだけの記号となって
あのフラスコにわたしは
どうしても
ティンカー・ベルを入れ ....
ほの暗い世界に浮かぶ首筋に沿われる指がナイフに変わる
地図にも載らない楽園を住民票にも載らない妹の兄一方通行
百回目姉と知りつつ背徳を覚えて二人鉄柵越える
....
傷付けて
傷付いて
それでも離れられなかった
笑い飛ばして
気まずくなって
それでも失いたくなかった
嘘ばっかりで
身勝手ばかりで
それでも抱きしめて欲しか ....
縁側で闇を見ている妹の白いうなじが僕を呼んでる
夏野山汗ばみながら駆けてゆくゆくえふめいの妹の兄
鉄塔の錆びた階段昇りゆく100階したから姉とは呼べづ
鏡台に映る妹べにを ....
朝起きたら
田中だった
田中くんおはよう
よう田中
あ 田中君だ
田中の言うことなら間違いない
田中さんこれ受け取ってください
下駄箱で告白までされる
本当の事を云 ....
気が遠くなるほど
恋をしてしまったとき
いや
言い換えよう
特定の
誰かに
欲情してしまったとき
わざと
自分を
隠す
何処にも
いないかのように
いないところから
....
受話器の向こう
一分の
透明な空気
自惚れないで
何にも伝わってやしない
無言で
空気で
....
震える右手で
左手を必死で押さえつけた
階段を降りる
彼女の背中を 押さないように
冷凍庫には
入れないで下さい
私は水気が多いので
すぐに凍ってしまいます
万が一冷凍庫に入れたなら
どうかそのまま出さないで
出したが最後 私は溶けて
後 ....