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ときどき浮かび上がる記憶の断片
もっとよく見ようと手を伸ばすと
するすると溶けるように消えてしまって
あとにはもどかしさばかりが残って
鮮明に思い出そうとすればするほど
ぼんや ....
僕らがまだ何も知らずに
無邪気に笑っていた頃
太陽はいつだって暖かく
幸せのひかりを注いでくれた
雨はいつだって優しく
恵みの飛沫を降らせてくれた
いつからだろう
眩し ....
部屋の机の上に飾られた写真立てに
うっすらと積もった埃をなぞって
ここで過ごした時の長さを思った
写真の中の笑顔はそのままに
もうずいぶんと遠くに来てしまったような
そんな気が ....
ひとは思想だけで死ねるという
それにはわたしには思慮が足りなかった
ひとは愛のために死ねるという
それにはわたしには憎しみが足りなかった
ひとは祈りのために死ねるという
そ ....
あなたが好きだったアーティスト
なんだか鼻について嫌いだったわ
あなたが好きだった作家
なんだか生き様が嫌で好きになれなかったわ
あなたが好きだった食べ物
なんだか食感が妙 ....
世界が急速に色褪せて
景色はぼんやりと滲んで
過去と現実の境界は曖昧で
夢と現は混濁する
浮かび上がる記憶の断片だけが
鮮やかに色付いて
現れる ....