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堪えきれなくて
上の奥歯を三本抜いた
ピーひょろろ
小鳥の鳴き声になって
(あなた だあれ?
わき水を飲んだら
鼻からこぼれて
時計の針が鼓膜に穴を空けた
しばら ....
あるとき どこかの竹藪を歩いていた私は 何かの拍子につまづいた 。
すると 隠れていた猫が一匹飛び出してきて
竹藪のなかの一番大きな青竹の中から一冊の本が開いた 。
灯りが点ってい ....
ことし
蒸し風呂には冷たそうな
淡水魚の夏
交じりあう水は予想外でも想定外でもなく
伝う虎落笛
冬は必ずやってくる
/
たくさんの別れがあり
哀しみを思う))される余韻が苛立つ「 ....
情に割れた鏡
病む満月の下
碧い血は流れ
縄張りに疲れた狼は
静かにその役目を終える
月よ 虚仮
あなたの後ろ姿に隠れ
逆らって生きてきた
太陽が笑えば
針は闇と ....
僕は詩人の仕事を知っている
それは薄汚れた靴下の匂いを残したままそのままを裏返しに吐き直し
美術館でこの絵はどうも臭いと鷲のような鼻で素人にはその説明を拒み
賞味期限に剥がれた壁紙の図柄 ....
それが一日で終わるなら
(一年に忘れ)
一年をともにするなら
(十年は思い出すだろう)
*
捨てたのですね
思い出を
あした詩人が
なん ....
オムニバスの森で
どんぐりを叩き割ろうとしていた 。
少年は陽が沈めば死ななければならない運命だった 。
あきらめかけた少年に
運命のひとつが味方をして
もう少し少年を苦し ....