すべてのおすすめ
一日のどこを切り取っても
水と緑の匂いがするような
素肌の季節がやってきた
僕はその真ん中で
体を風景に溶かしながら
それでも真っ直ぐ立っている
色々な細部や残像が
目の前を通り過ぎ ....
この夜明け
街は忘れていた形を取り戻していく
影が生まれ
新しい気配が景色を横切る
一番透明な時間に
一番透明な予感が
僕を通り過ぎる
寄りかかった壁のその冷たさだけが
まだ夜に属 ....
流れる水の哀しい感触に運ばれて
街の隅にたどりついた
前世の匂いのする風が
頬と首筋を等しく撫でた
桃の薄皮のような
日に焼けた 心細い皮膚を
誰かに引っ掻いて欲しかった
痛がりで ....