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喫茶店の中は
小さなロッジを思わせた
ランプの橙色の明かりは
それでもやはり薄暗くて
カウンター席の後ろでは
まだしまわれていないストーブ
季節に似合わなくても
この店には似合ってい ....
脱ぎ捨てた靴下のように
二人分の日常が床に転がったまま
今にも歩き出しそうなのは
きっと逃げ始めた体温のせい
鏡越しに いつのまにか
髪が伸びたあいつに舌を出す
時間なんて残酷で
最後の ....
あなたとわたしは
たまに日常を共有する関係
そして言葉の世界で
たまに交わる関係

わたしのこころを
あなたが描くとき
あなたの横顔に
わたしを見つける



ただ ....
二年前のあした
あの日もたしか、雪が舞っていました
鳴り止まない鈴のように
ただ、こんなふうに

降りはじめに気づいたのが どちらだったか
あなたはいまでも
覚えているでしょ ....
   

   ひとつの恋の終わりは、
   ひとつの音楽とひとつの香りを残す―――




いつだったか
すれ違った文庫本の帯が
そう主張していた

乾かないルーズソックスの ....
赤はあなたの朝のあいさつ
いまさらながらって照れちゃうけれど
橙大好き抱きしめてなんて
いまさらながら言えないけれど

黄いろい蝶が花びらみたい
いまなら素直に笑えそう ....
三秒だけ、思った
私は私をやめたいと
三秒だけ
きっと初めて考えた

ひとりでは誰一人抑えられなくて
ひとりでは誰一人助けられない
また人を頼ったから、
その人たちを困らせたか ....
   


少しずつずれた紙の束を。揃えようと焦る
指先が乾くからまた少しずれてゆく、それを
ありふれていると笑いながら言の葉と呼び合った
ふたり



絶え間なく淡い音で空隙をう ....
私は
花びらが一枚足りないの
みんなは五枚なんだ
でもね


  一 

ずっと前、
私は小さな種でした
ほんとに小さくて、軽くて、やわらかかった
あの土と、この風が私を育て ....
尽きそうで
尽きそうで
時に思い出したように
夜を縫う
置き去りの夏に迷う
この心のように

かくも小さく
かくも短き生命の振動が
この手に伝わります
見失う日々を
辿れ ....
昨日は切なさを
今日は愛おしさを
明後日は狂おしさを
一枚
また一枚
引き剥いだ心から溢れ出る
あかい
あかい溶液は
あなたの眺める空を
あなたの愛でる花を
染めぬいてくれるでしょ ....
夏のよい さめぬうちから 下駄を引き
君を迎へに からりんころり

京くだり
丸竹夷に押し御池
こころもとなきは ただ君のため

数へゆく
姉さん六角蛸錦
絞りの帯は 花一文字

 ....
北大路京介さんのRin.さんおすすめリスト(72)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
初めての記憶- Rin.自由詩31*07-1-20
裸足で帰ろっか- Rin.自由詩19*07-1-14
逸星- Rin.短歌18*07-1-10
透ける- Rin.自由詩16*07-1-9
ひとつの恋の- Rin.自由詩24*06-12-2
連詩_「にじのうた」- Rin.自由詩16*06-11-30
三秒- Rin.自由詩15*06-11-25
みず- Rin.自由詩22*06-11-8
四ツ花- Rin.自由詩22*06-10-24
線香花火- Rin.自由詩23*06-8-5
百日紅- Rin.自由詩24*06-7-26
祇園京くだり- Rin.短歌12*06-6-1

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