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空になった子宮は
痛みをともないながら
少しずつ
小さくなっていったけれど
物語はまだ
そこに残っている
気配がした

だれもが
語りたい と
思っていた
産むという行いは
ど ....
根は分解されて土に還っていた
枝の先にわずかに最期の吐息が残っていた
去年咲かせた花の種を形見に取っておくんだった
オー マイ リッラ 
後悔はいつだって遅刻する

ぽっかりと丸い穴が空席 ....
鳥の名前を覚えることから
始めようと思うの
と、その人は言った

たとえば、つばさを一瞬たたんで飛ぶ
あの鳥の名前を覚えたら
あの鳥はもう
見知らぬ鳥ではないでしょう?

さらりと雪 ....
おはよう と言うよりも先に
十二歳になったよ と
報告をする朝
きみはまだ翼の下
生まれてきて良かった? の問いに
素直に微笑む
きみのまだ知らない
悲しみと苦しみ 
平坦な道のりを願 ....
風が

砂の上に言葉を残していく

見えない指先が作り出す

美しい波

足跡を残すこと が

躊躇われる日に

その言葉の意味を知りえたなら

どんなに救われるだろう
 ....
ななかまどの実は優しい
目覚めるにはまだ早いの、と
種を包んで眠らせる

外は雪、小鳥たちには信号
わたしはここよ
赤く光って合図する

ついばまれる実
やがて種は
生まれた場所を ....
カナリヤの歌が聞こえる
  あなたには、聞こえない
  わたしには、聞こえる

葦原を吹き抜ける風の音に混じって
低く、すすり泣くような旋律

    私は言葉を持たない
    歌う ....
ちろちろと赤い舌?
いいえ、あれは小さな炎
黒土の下にはずっしりと火種
気化しているのはいのち
それとも、みらい
ぽっ
ぽっ
炎色反応はやがて
リチウムの赤から橙へ
橙から黄、黄色か ....
憧れはわたしに
足りないものを教えてくれるけれど
足りないものを足す方法は
教えてくれない

どんな大人になったらいいかを
わたしは知らなくて
憧れる人はいたけれど
どんなに頑張っても ....
北大路京介さんの北野つづみさんおすすめリスト(9)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
産む- 北野つづ ...自由詩10+10-11-27
リラ/小さな庭から- 北野つづ ...自由詩6*08-9-24
名前を覚える- 北野つづ ...自由詩11*08-2-25
十二歳- 北野つづ ...自由詩12*07-11-15
創書日和「風」_風紋- 北野つづ ...自由詩8*07-5-19
ななかまどの実は- 北野つづ ...自由詩10*07-5-8
創書日和「歌」_あなたには歌えない- 北野つづ ...自由詩4*07-3-30
創書日和「炎」_スケッチ/春- 北野つづ ...自由詩6*07-2-17
走光性- 北野つづ ...自由詩6*06-11-13

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