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がれきのなかから
はっけんされた
テーブルのあし

そのしたから
しょうねんらしき
からだがひきだされていた

テーブルも
わたしもないた

はしらもかべも
れいぞ ....
 
眼鏡をかけて
泳いでるこの世界は
海の底

けっして
外してはならない
溺れてしまうから

眠るときだけ
外します
息を止めて
眼鏡から
あふれる海 ....
空のすみずみまで血はめぐり
いつもの午後が
今日も静かにあくびする

ふと目が合って
空の心臓が
止まりそうになった

手を繋いで歩いたら
真っ赤な大きな心臓が
名残惜しそうに ....
長さが
ちょうどいいので
いつもその道を歩いた

長さは長さ以上に
距離ではなく時間だったから
帰る家もなつかしい

廊下の床がゆるんで音が鳴るのは
散歩と人の長さが
同じ距離に ....
雨の空を見上げて
あなたからの手紙を待つ
何日も何日も
待てども待てどもこない
手紙は連日の雨で
空にとけてしまったかもしれない
そう思って家に帰ると玄関先で
それは静かに待っている
 ....
よほど
苦しかったのか
あなたは
泡をはきながら
空高く水面へ
浮かんでいった

えら呼吸が
苦手なわけでは
なかったが
ときどき
疲れてくると
肺呼吸してしまう
悪い癖があ ....
修理相談センターに電話すると
またあの女のひとが出る
状況を報告して電話を切って
しばらくすると
修理のトラックがやってきて
私を段ボール箱に梱包して
工場へ連れて行く

修理されてい ....
動物園の猿が
声を食べている
人間の声を
むやみに与えないでください
と、注意書きがあるので
みんなただ黙って
猿を見ている

携帯が鳴った
電話の相手が
ものすごい剣幕で怒ってい ....
軌道を外れて落下する雨
待ちこがれる傘
からだを露骨に紅潮させ全開となった傘を
雨が狂ったように激しく打ちつける
すべてが終われば傘は
からだに付着した雨を丁寧に振り払い
雨は何事もなかっ ....
意味もなく
突っ立っている
その言葉に
気づいている
きみひとり
髪をぬらして
雨の中にふたり
傘をひとつ買った
初恋の朝

目的もなく
寝ころんでいる
その眼差しに
気づい ....
ku-miさんの小川 葉さんおすすめリスト(10)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
行方不明者- 小川 葉自由詩411-4-8
眼鏡のせかい- 小川 葉自由詩308-11-11
空の心臓- 小川 葉自由詩508-5-11
むずかしい散歩道- 小川 葉自由詩1108-5-1
雨と手紙- 小川 葉自由詩607-7-14
呼吸- 小川 葉自由詩407-7-9
ゆりかご- 小川 葉自由詩407-7-4
- 小川 葉自由詩1007-6-21
雨音- 小川 葉自由詩6+*07-6-8
初恋の一日- 小川 葉自由詩407-5-19

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