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わたしが無職だったころ
茹で卵と塩むすびだけはんかちに包んで
毎日河原へ出かけていた
それしかやることがなかったのだ
アンケート用紙とかに
無職
と書くのが厭だったので
仕事を探してはい ....
・
わたしの家の郵便受けには
朝になるといつも
赤い花がいっぱいに届けられる
露を含んでぽったりと
流れ出しそうな赤い花だ
どこかにわたしを好きな人でもいるのだろうか
捨てるに捨てられな ....
・
家を出ると
道端に
無数の舌が落ちていた
赤信号が
誰ひとり停められなくて
途方に暮れているような真夜中だった
舌たちは
うすべにいろの花のように
可愛らしく揺れなが ....
八月が終わらなければいいと
願っていた
そのときわたしは
小学五年生で
朝顔を上手に育てることが出来なかった
そして
支柱にぴよぴよと巻き付いた
枯れた朝顔に
まだ毎朝ぼんやりと水 ....
本を読む人の眼は
例外なく真っ黒い色をしている
それはもちろん
眼が活字のインキを吸収してしまうからである
本を読みすぎて
白眼まで真っ黒になってしまった人が
こちらを向い ....
・
夕暮れの遠くに霞む
四台のクレーン車は
輪を描くように向かい合って
なんだか
太古の昔に滅んだ恐竜の
弔いをしているように見える
・
朝に洗濯物を干す母親は
太陽に両腕を広げ ....
左手しかポッケットに入れられないのは
右手で傘を持っているためで
少し泣きそうな顔をしているのは
暗くなると君を思い出すからである
急ぎ足なのにけして駆け出さないのは
帰り道の途中に墓場 ....
錯綜している視神経の
からまりあった編み目の間に
ちいさい魚が
かかっている
つめたいつめで
そっとつまんで
涙腺の中へ
放してやろう
水草があれば尚いいが
涙腺の底には
....
ku-miさんの吉田ぐんじょうさんおすすめリスト
(8)
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日付
わたしが無職だったころ
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吉田ぐん ...
自由詩
49*
09-8-4
日常
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吉田ぐん ...
自由詩
13
08-5-13
こわいはなし
-
吉田ぐん ...
自由詩
24
07-9-1
えいえんの夏
-
吉田ぐん ...
自由詩
27
07-8-10
書店で働くということ
-
吉田ぐん ...
自由詩
73*
07-4-25
祈りに関する情景
-
吉田ぐん ...
自由詩
19+
07-1-16
種々の理由
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吉田ぐん ...
自由詩
21
07-1-6
涙と魚の相関関係
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吉田ぐん ...
自由詩
16
06-11-18
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