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夏の名残を雨が洗うと
淡い鱗を光らせたさかなが
空を流れ
ひと雨ごとに秋を呟く
九月は
今日も透明を守って
焦燥のようだった熱や
乾いた葉脈を
ゆっくりと
冷ましながら潤ませ ....
雨音が
逝く夏を囁くと
水に包まれた九月
通り過ぎた喧騒は
もう暫くやって来ないだろう
踏みしめた熱い砂や
翡翠いろに泡立つ波も
日ごと冷まされて
さみ ....
梅雨明けを待てずに
空は青に切り開かれて
ホウセンカの種が飛び散る
新しいサンダルが
小指を破って
滲んだ痛みは懐かしい夏
種の行方を見つめ
きみがいない、
そんなことをふと思 ....
動かない空気のなかで
宛てもなくひらりと
便箋を翻すと
そこには
まだ言葉にならない溜息やのぞみが湧きだして
いつの間にか黒い模様を描きはじめる
遠くへ帰るひとを
いま見送っ ....
冬の雨が上がって
しっとりと潤った空気に
小さな蕾が目覚め始める
春と呼ぶにはあまりに早く
陽射が弱々しく届いて
蕾の外側だけがほんのり白く染まる
冷酷な北風には
他愛もない出来 ....
雨の糸の隙間に
夜は満ちて
ストーブの熱が
そこだけ幸福とでも言いたげに
ほんのり春を創っている
きみと並んで傘をたためば
二人の水滴は
余分な約束事のように散らばって
冷えた ....
ひとたびの雷鳴を合図に
夏は堰を切って
日向にまばゆく流れ込む
其処ここの屋根は銀灰色に眩しく反射して
昨日まで主役だった紫陽花は
向日葵の待ちわびていた陽射しに
少しずつ紫を忘れる
....
シュガー・ソレイユさんの銀猫さんおすすめリスト
(7)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
浜辺のうた、かた
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銀猫
自由詩
34*
07-9-12
九月のみずいろ
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銀猫
自由詩
28*
07-9-3
ホウセンカ
-
銀猫
自由詩
26*
07-7-28
砂のことば
-
銀猫
自由詩
24*
07-1-28
きみに向けて
-
銀猫
自由詩
28*
07-1-18
漆黒の髪を愛する
-
銀猫
自由詩
42+*
06-11-27
百日紅の下で
-
銀猫
自由詩
19*
06-7-15
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