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春の気配に恋、を思えば
こころが羽根を持って
菜の花畑の上を旋回する
拙い愛情が
地球上のすべてだったあの頃に思いを馳せると
おぼろに陽炎は立って
咲き競う花の匂いが
わたしを空 ....
めろんの翠が涼しい頃
強引な若さだけを連れて
新しい部屋を探したわたしが
照れながら甦る
必ずしあわせになるのだと
啖呵を切って
飛び出した古い家
裏付けるものなど何も無く
ただ
....
雨雲が熟すのを待てずに
落ちてきた水滴は
過ぎた日の埃の匂いがする
名もなき小鳥が
一斉に声を上げて
巣を目指して羽ばたき
一瞬の喧騒を誘う
今日のわたしには傘がない
誰も此処 ....