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無数の生き物たちがざわめいている
走りながら{ルビ靡=なび}きながら留まりながら

かつてを振り返ることも無く
いつかを探ることも無く

連続する慌ただしい揺らぎの上に立ち
私は{ルビ空 ....
平凡なお別れをした僕らは
やがていずれきっともうすぐ

偶然も必然も届かぬ場所で
二度とその声を聴くことも無くなるのだろう

覆い被さる波のような日々の中で
わずかにこの手に掬い上げられ ....
さ よ な ら

ロウセキでアルファルトに書いた

さ よ な ら

声に出して読んでみると
更に文字はアスファルトの上で白く浮き上がった

さ よ な ら

道行く人が小さく読 ....
にちようびが
しゃらしゃらとやってきた

とろとろしてたぼくは
もそもそして
ぽやぽやして
むしゃむしゃして
またとろとろした

それからすこし
かなしいゆめをみたぼくは
めそめ ....
雨雲に覆われた街を
切り取る車窓を眺めれば
まるで僕らは
ネガの中を走っているよう

降り出しそうで
{ルビ堪=こら}えるあの空には
あとどれだけの
時間があるのだろう

始まれば ....
夜毎に降り注ぐ
ジェルのようにベトついた
粒状の哀しみは
いくら祓えども僕に纏わる

心を失くして遠くを彷徨ってみても
遠くで思う僕にまた出会う

干からびた約束には
何の重みも無い ....
光と影の悪戯な満ち引きに操られるように
僕の足は急いだり止まったり

そして派手に曲がった{ルビ歪=いびつ}な足跡が
僕のたましい

美しい汚れと汚れた美しさの
どちらにも触れながら首を ....
暖かな夕焼けを背負って
私は昨日を歩いている

土手の草陰に置き去りのボールと
空に絡まる電線

川の水は流れているようにも
流れていないようにも見える

背中を温める夕焼けが
実 ....
僕らはさみしい子供だから
間違いだらけの夜更けの中で
雨の音を聴いている

最近雨が好きになったのだと
君は言う

明日も雨が降ればいいねと
僕は言う

壊れたテレビを何度でも
 ....
鍵盤の音を確かめるように
ひとつずつボタンを外していく

育ちすぎた夕暮れが息苦しそうに
僕らの仕草に耳を傾けている

一秒がいつでも一秒ではないように
僕らもまた危ういバランスの中で奏 ....
はるのおなかが
ぷっくりふくらんでいるのは

ぼくがそのなかで
ぐうぐうねむっているから

だけど
はるのおなかは
とってもひろい

だからみんなで
ねむりにくる

たくさん ....
木の枝が重ならずに生きていくことを
描き言葉と伝え言葉が生まれる
それぞれの心の在処を

まるでひとり言でも呟くように静かに
少し楽しげに君は教えてくれる

大きな木の根元に寝転んで
 ....
君は鳥が好きですか
僕はどちらでもないです

桜が咲くと嬉しいですか
僕は土手で寝転びます

今日は何か音楽を聴きましたか
僕は鈴木茂を二回かけました

夕ご飯は美味しかったですか
 ....
みどりいろのタネから
ぼくはうまれた

うまれたときから
ぼくにはポケットがあって

そこにはぜんぶが
つまっていたけれど

たいようにこがされたり
あめにしみこまれたり
ほしに ....
久しぶりに良く晴れたその日の夕暮れに
私の体温が奪われていく様子を
歩道橋の上から透明なカラスが見ていた

カラスはその向こう側が
全く透けて見えるほどに透明だったけれど
そのカラダの形 ....
二月をはじめたばかりの空に私は宿る
人見知りの日差しはまだどこかぎこちない

手放した温もりを眺める視線と
手放された痛みを撫でる記憶

風は中途半端に冷たい

人気のない歩道橋の上の ....
沖の青が濃くなる辺りで
ポカリと浮かんだ独り言が
夜更けの時計を探している

月は夢と同位置で微笑みながら
人知れず密かな指切りを交わす

波のない水面に映る
過去と{ルビ瞬間=いま} ....
今夜の空に2つの月が浮かんでいる

どちらもまあるく太った月だ

その色もその形もまるでそっくりおんなじなのに

照らすあかりは全然違う

右の月は煌々と

くっきり僕ら ....
短く鳴く鳥たちが
午前八時の校庭で遊ぶ

焦げ茶の葉の大木も寝惚け気味の柳も
滑り台の隣でそれを眺めている

薄い墨を何度も引いたような空は
まるで暮れかけているようにも見えて
私はそ ....
ずいぶん遠くまで歩いて
きみのクツはまるで
最初と違うカタチのようにみえる

たくさん土の上を転がって
きみの服はすっかり
元の色を失ったようにみえる

何度も傘が破れて  ....
秋が風になびく
僕らはぼんやりと空を見上げながら
くっきりと今を抱いている

君の話す言葉が
木々の合間に踊り
遠い獣が夕暮れを呼びはじめる

生温いカフェオレの缶
高い枝の上で大き ....
きみはキリン

別に首が長いわけでもないけどさ
肩甲骨の辺りがキリン

きみはキリン

特に無口じゃないけどさ
答えの前にちょっと間が空く
電話の向こうでキリン

きみはキリン
 ....
昔私は2つ下の弟に
私は本当は他の星から来たんだと嘘をついた

それはちょうど私が小学校に上がる頃で
家には新品のランドセルがあった

どうしてそんな嘘をついたのかは分からないけど
弟は ....
君が僕の名前を
忘れる前に

僕は大きな風を
呼ばなくちゃ

たとえば君がその風に
気がつかないとしてもさ
空耳のどしゃぶり
ガード下にこだまする

立ち止まる黒猫の
瞳はブラックホール

目が合えば僕は
吸い込まれていく


夜を開く赤のカーテン
その向こうへ黒猫は走り出す

加 ....
さかなのむれが
ほどうではねる

きらきらきらきら
ひかるさかな


おそらでママが
よんでいる

ぴかぴかぴかぴか
ひかるママ


ひかるさかなは
しらんかお

き ....
もらいものだけど
よかったら

このてをきみに
あずけるよ

すこしかるくできたら
いいな



もらいものだけど
よかったら

このつまさきをきみに
かしだすよ

 ....
モーヌ。さんの松本 涼さんおすすめリスト(27)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
生き物- 松本 涼自由詩507-8-21
平凡なお別れ- 松本 涼自由詩707-8-2
さ_よ_な_ら- 松本 涼自由詩607-7-17
しゃらしゃら- 松本 涼自由詩707-6-25
ネガ- 松本 涼自由詩1807-6-1
思う- 松本 涼自由詩307-5-30
首をかしげて- 松本 涼自由詩1007-5-14
デッサン- 松本 涼自由詩1307-4-18
さみしい子供- 松本 涼自由詩1607-4-9
夕暮れピアノ- 松本 涼自由詩1007-4-9
はるのおなか- 松本 涼自由詩1307-4-5
さくらの日- 松本 涼自由詩1207-4-3
ところで- 松本 涼自由詩2107-3-15
みどりいろのタネ- 松本 涼自由詩1607-3-13
透明カラスと夕暮れ- 松本 涼自由詩1007-3-6
二月- 松本 涼自由詩8+07-2-11
深青- 松本 涼自由詩1107-1-5
2つの月- 松本 涼自由詩806-11-27
午前八時- 松本 涼自由詩706-11-26
ひたむき- 松本 涼自由詩13*06-11-19
- 松本 涼自由詩6+*06-11-5
きみはキリン- 松本 涼自由詩206-10-23
ランドセル- 松本 涼自由詩606-9-3
バランスの悪い恋において- 松本 涼自由詩206-9-3
黒猫- 松本 涼自由詩606-6-26
ひかるさかな- 松本 涼自由詩1*06-5-24
もらいもの- 松本 涼自由詩4*06-5-24

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