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同級生はドラッグストアで働いていた
名前はみらいちゃん と云った
休みの日には呼び出されて
公園を匍匐前進させられたり
炎天下の坂道を延々往復させられたり
首を革紐で縛られたり
草を食 ....
蝉の抜け殻を
村で一番集めていた村長が死んだ
彼の亡骸は
蝉の抜け殻に埋められるようにして
荼毘に付された
それがみんな燃え終わる前に
新しい村長がやって来た
新しい村長は口ひげを生 ....
この頃は
新聞の死亡記事を切り抜いて
町内の電信柱に
べたりべたりと貼り付けることにしている
今日もこんなに沢山の人が死にました
毎日毎日人は死にます
これだけの人が死ぬ中で
わ ....
朝起きて冷蔵庫を開けたら
祖母が入っていた
さみくてさみくてなんだかも
生ぎてぐのがいやんなっちま
なんて言うので
そんなに寒いのなら
もう死んでしまったっていいんじゃない
と思った ....
本を読む人の眼は
例外なく真っ黒い色をしている
それはもちろん
眼が活字のインキを吸収してしまうからである
本を読みすぎて
白眼まで真っ黒になってしまった人が
こちらを向い ....
二十三年間生きてきたのに
おめでとうのひとつも
満足に言えない
そのことについて
頬杖をついて考える
一人で
室内で吐く息は白い
ストーブは足元ばかりを熱くする
家 ....
たまねぎを刻むと涙が出る
それにかこつけて
少し本気で泣いてみる
そうして
矢張りわたしは
要らない子かも知れないと思う
だけど午前の台所は
悲劇ごっこをするには明るすぎるし
誰かを想 ....
街灯の並んだ道を
一匹のかぶとむしが
低空飛行して進んでゆく
信号か何かの
赤い光を受けて
目玉も背中も
海老のようにぴかぴかしている
かぶとむしは
曲がり角で
ゆっくり ....
がらんとしたうさぎ小屋には
冬の一等星みたく
赤いまなこが
ひかっている
かなあみに近づくと
わずかに薄荷のにおいがした
君だったろうか
呟いた息が白い
夜空には
おおぐ ....
目覚まし時計の電池を抜いて
針を止めてはみたものの
時間が止まるわけでは無くて
時間が戻るわけでも無くて
ぴかぴか光る文字盤を見ている
わたしはきっと
何かを後悔してるのかもし ....
もも うさぎさんの吉田ぐんじょうさんおすすめリスト
(10)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
未来ちゃん
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吉田ぐん ...
自由詩
23
08-7-11
村長
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吉田ぐん ...
自由詩
12
08-6-15
自殺志望の友達へ贈る詩
-
吉田ぐん ...
自由詩
20+
08-2-3
悩ましい朝
-
吉田ぐん ...
自由詩
35+
07-5-24
書店で働くということ
-
吉田ぐん ...
自由詩
73*
07-4-25
おめでとうの仕方
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吉田ぐん ...
自由詩
24
07-1-12
午前十時のクリームシチュー
-
吉田ぐん ...
自由詩
29
07-1-11
かぶとむし
-
吉田ぐん ...
自由詩
12
06-12-4
うさぎ殺し
-
吉田ぐん ...
自由詩
9
06-12-2
めざましとけい
-
吉田ぐん ...
自由詩
7
06-10-7
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