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ゆうぐれを食む
四百の泡
無声音の多いスピーカーと
光沢のない爪の切れ端
みずさしに万年筆
薬瓶にクワガタソウ
柔らかなどぶのせせらぎ
羊が歩くゆめを ひととき
....
六月の空だったろう、と耳の後ろが云う
否 冬だったろう、ひんやりと肌が伝える
カルキ水に浮いていた
たちこめていたのか?
彼の頭頂部に咲きこぼれたという 青い花を思っていた
遠く ....
滴り落ちる鍾乳石の響きのように 光は触れ、惑わす
耳を澄まし気付くまえに 耳を澄ますよう気付かせる
それがやって来たとき
わたしたちのつたないじゃれあいを
ペテュニアやら杏、ソシュールやらで ....
夜が燻る
夜が放火する
わるいゆめ
ほんのすこし掠めた
ささくれが毛布にひっかかるような
ひっかかるようなきがして
指を舐める
夜が燻る
夜が放火する
にがい ....
あしおとは何処からもついて来ず
あしあとは干乾びて いくつか
{ルビ香蒲=がま}の揺れるが聞こえる気がするし
それが自らを抉り肉のはじけるが聞こえる
気がする
夏のそそり立つ轟音は ....