すべてのおすすめ
空爆に叫ぶ地もあり どんよりと優雅な午後のこの一時に
雨よりももっと激しい晴れの日が過ぎていく 広い広い世界で
対岸の大病院の灯り皆消えて 天井の闇 見つめる人も
台風の接近告げる声 ....
無造作に枯れ花捨てる気安さで 我も誰かを傷つけ来たり
マニキュアの光は鈍く武器にすらならぬ女の小道具として
雲隠れしたのはわたし 月もまた夕雲の陰泣いているだろう
愛こそが熱の媒体 ....
灰皿につもる吸殻 砂時計よりも確かに時を刻んで
思春期は置いてけぼりで悼みすらなく見上げいる二十歳の空よ
夕焼けに溶かされてしまえ 毎日をつくる形のあるものすべて
くすぶってむしばん ....
吾の中に沈んだ言葉掘り返す道具を空に忘れてきたり
一人でもよし我が言葉狂うほど愛する人と出会ってみたく
稚なさを勢いで継ぐ時期は過ぎ底をさぐれど我見つからず
雪降らぬあたたかき冬 成 ....
そこには
斬新な空があった
お手玉のように言葉を放りなげて
駆け出してゆきたくなる
そんな空があった
ああわたしも
多分飛ぶことができる
一つの塊
そうわ ....