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やさしいやさしい言葉はわたしの水面に波紋をたて
底へと小石はとどく
あなたの小石でわたしのなかが一杯になったら
わたしのせかいはあなたのものです
小さな箱に体は収まる
膝をかかえ頭を下げ
それは体に張り付くように
少しでも体を動かせば骨が軋む
箱から外れるな、と
箱が割れる日がくるときもある。
そのときは皮膚が外へ出るのを嫌うよ ....
青白い手のひらに紅色の月を透かし
斜めにそびえる塔への梯子を探せば
遠くに捨てた金の鍵が森の中できらりとひかる
朽ちた木のように横たわる老婆と少年の
永い恋は幕を閉じ
後に残るは少年 ....
ぐちゃくちゃと ぬかるみにあしを入れながら歩いてきた
どろどろになりながら けれど汚れるのは靴ばかり
ふりかえると つづく足跡がある
ふかい森からの軌跡
うつくしくない 引きずるよ ....