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六月のうちに、
してしまわなければならないことがあった。
思い出そうとして思い出せないまま、今、雨を見ている。

  湿気が増して空気が濃くなると
  呼吸しにくくなるからね
  だけどそ ....
{ルビ掬=すく}い取れぬもの
沸きたち噴きだす火口に押しこめようと
小さな突起ごとわしづかみに{ルビ掴=つか}んでは
肥大してゆくこころ
そっくりそのまま、ひとのところへ返そうとする

無 ....
水が 
ぬるくなってしまう前に
しなければいけないことがあった

天頂から地平にかかる天蓋の
弧の延長線のところには 辿りつけないまま
目蓋の裏のカーブばかりを見ている

自分が 足り ....
もえる火の中でインクの文字が黒く浮きでたと思うや、寸時ののち、
ひときわ赤くかがやいた。一瞬、炎がわたしの心臓を、わしづかみ
にしようと触手をのばしたけれど、ここまでは届かなくて、わずか
に頬の ....
言葉のひとつ
近づいてきたら  追いやって
離れそうになれば 手繰り寄せている
縁側でする遊びのようで 意味なんてないのだけれど

笑顔の会話を 遠くにききながら
追い払われたひとの行方を ....
石瀬琳々さんのclefさんおすすめリスト(5)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
雨飼い- clef自由詩3*08-7-15
抛(ほう)- clef自由詩2*08-7-9
古い皮質のところの日記- clef自由詩3*08-5-30
恋歌- clef自由詩4*08-1-27
水辺- clef自由詩6*08-1-10

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