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砂に埋めた記憶が
呼吸を止めて
海水の表面張力が
零れそうになる
あなたは
なくしたものばかり
瞳にうつしたがる
片恋のボタンはずして息をする
坂道を二人乗りして夏が行く
できたての朝は真夏のゼリーかな
水族館ガラスに映るあなた見てる
砂浜の足跡がまた波に消え
潮騒の残響に潜む君の声
梅雨の晩送られし日々の紙一重
夕立の山小屋のよな紙一重
麓から頂上までをなぞる指
折り紙を折る指に癖あらわれり
夏服を脱いで蜉蝣乱舞せり
青簾恋匂い立つ畳の間
道ばたに咲く美しい花を見て、
ああ、きれいね、
とだけ思えばいいのに、
なぜぼくはわざわざ、
その花をもぎとり、
家に持ち帰り、
花瓶にさし、
自分のものにしようとするのだろう。
....
照明をを落とした夜のワンルーム
音を消したテレビが無機質に
目の前の裸体を点滅させている
果実から流れ落ちて乾いた液体の匂い
ワンルームの部屋中に充満し
くちのまわりには
唾液 ....
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