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春の雨が
細く断続的に降る
風が吹いて
竹の葉が軽い音をたててはじく
雨の音は
こまやかに落ちる
しまい込んでいた
奥底の溝に

いつの間にか濡れる
銀色の針のようなしたたかな ....
川面に浮かべた林檎を手にすくい
また沈めながら
「きれいだ」
「きれいだ」
それだけを呟いて
繰り返し林檎を見つめるあなたは
この月の光と照らし出された波を
どう眺める ....
12月25日の灯火を持って
私は再び屋外に出た。
北風、南風、西風、東風。
自由きままに吹く風に身をさらして
この灯火をそれとなくてのひらで守りながら
私は前へ進むのだ。


12月2 ....
あなたの望むかたちに
そぐわない私の心は
たとえばタイルのように
こまかく割ってしまおう
そう、ガウディっていうカタルーニャの人も
言っていたように

そのままではただの四角かもしれない ....
石瀬琳々さんの九谷夏紀さんおすすめリスト(4)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
春の雨、森で- 九谷夏紀自由詩707-5-9
月のように川面のように- 九谷夏紀自由詩7*07-4-8
灯火ときままな風- 九谷夏紀自由詩3*06-12-30
タイル- 九谷夏紀自由詩3*06-11-19

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