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まどろみの中で
薄れてゆく意識と
わずかに残る自覚とが
交差する

微かな論理が
無我と溶け合い
何かが生まれ
何かが消えてゆく

夢と現が
メビウスの輪のように結ばれ
頭の中 ....
あの日、僕は光の中にいた
何もかもが眩しくて
光を受けず、光を放っていた
夏の中だったのかもしれない

あの日、僕は光の中にいた
何もかもが輝いていて
光に当たらず、光を照らしていた
 ....
冬の青空を
鳥が飛んでゆく
まっすぐに
きりっとした冬の翼で
空を切ってゆく

何もない空の一瞬の変化が
大地への躍動を与え
その羽ばたきは
心の波となり
生に響きを与える

 ....
穏やかな風が吹く
冬の晴れた日の午後
寒い日のはずなのに
その冷たさはどこにもない

鳥たちはのびやかに飛び回り
土は生きている

めったにないこの日を
人も皆
外に出て心で祝う
 ....
雨上がりの砂利道を
そろりそろりと踏む石の
聞こえてくる砂音に耳を傾ける
それは優しさ

道の左の林より
枝から枝へと飛ぶ鳥の
聞こえてくる羽音に耳を澄ます
それは温もり

どこか ....
昨日の雨は
本当に雨だったのかと
疑ってしまう今日の青空

くもの巣が水でできている
土に水玉の花が咲いている

風は冷たいけれど
その風に乗って
タンポポのように
きららふわわと ....
なぜこんなにも
何もできない自分がいるのだろう
がんばれば
多くのことができるというのに

なぜこんなにも
何もしない自分がいるのだろう
やりたいことが
たくさんあるというのに

 ....
紫色の光が
車のフロントガラスを突き抜けると
冬の夜を始める
光は焦点へ集まり
紫は黒に変色し
やがては海を創り出す

緑と赤の点滅が
眼球のレンズを通り抜けると
冬の夜を始める
 ....
君はもう見たのかい?
翼をもった
銀色の馬が
空を翔けてゆくのを
冬はこうして
やってくるのを

君はもう聴いたのかい?
いななくたびに
冷たい風が
地上に吹くことを
冬はこうし ....
心が枯れてしまったと
思ったとしても
君にはまだ
心の種が残っているじゃないか

君にだって
人と会話する気持ちがあるだろう
そう、それが心の種
そこからまた
新しい芽が生まれるのさ ....
雨が止んだので
図書館に行きました
誰が書いたのか
忘れてしまいましたが
旅行記に読み耽っていたことは
覚えています

雨が止んだので
靴屋に行きました
どこの会社の製品なのか
覚 ....
雨が降り続く秋の中で
公園のベンチは
誰も腰かけないまま
しっとりと濡れてゆく
何もない無の空間に
わずか一瞬だけ
背もたれにスズメが立ち止まる

雨が降り続く秋の中で
公園のブラン ....
もうすぐ寒くなるというのに
数人がかりで
髪の毛をぽんぽん抜き取って
大きな車に詰め込んで
あっという間に
丸刈りにされてしまった

みずみずしくふさふさだった
髪の毛がなくなって
 ....
日が沈み
冷めてゆく土
その上を静かに
秋の夜を泳ぐ

月はすでに
凍てついたかのように
冷たい光を
地上へと降り注ぐ

その光を頼りに
秋の海は
風とともに波を起こす

 ....
秋は風
そよそよと風が吹き草の丘へ
薄穂が揺れその動きに
虫たちが自分の楽器を
思うままに奏でる

秋は色
はらはらと葉が落ち野の道へ
小枝が揺れその動きに
小鳥たちが自分のパートを ....
今日の空が知りたくて
朝から空を見上げれば
昨日と同じ秋の空

でもどこかが違う
昨日はつぼみだった山ゆりが
白く大きく咲いている
今日の空は少しだけ
昨日の空より白かった

今日 ....
自分というものに
気がつき始めたこの頃は
どこか落ち着かなくて
みんなと同じことをしていても
同じではなさそうで
みんなと違うと思われたくなくて
同じことをしている自分が
自分ではない気 ....
雨の日の冷蔵庫は
扉を開けるのが
いつもよりもどこか重たくて
暑い日よりも
その冷たい空気が肌に伝わる

建物の中の
頑丈なまでのその箱は
激しく雨が降ろうとも
そのリズムを変えるこ ....
今は昔、をとこありけり。
いとあやしき箱の詩歌の会にしげく通ふ。
投げ打ちたる文、すなはち返し給う局ありけり。
誰にか会はむと入りしかども、いらへなかり
ければ、つれづれなることを語るうちに、 ....
カレーパンは秋に食べるのが
一番美味しい

道を歩きながら
秋空に向かって食べる味は
格別にうまい

袋を開けると
油の匂いが風にブレンドされて
まろやかな匂いになる

開ける口 ....
今は昔、をとこありけり。
片田舎に住みければ、いとあやしき箱にて文を交じらふ。
箱の中に、あまた集ふ詩歌の会ありて、よき歌には人々
より数を賜る。
思ひ起こして歌をばと箱の中に投げ打つも賜ず、 ....
秋の深むる道すがら
吹かれ漂ふ紅葉葉の
{ルビ言=こと}に出づとはあらずとも
心鎮むる文となる

風の流るる草の野に
そよめそよめく{ルビ薄穂=すすきほ}の
波を立つとはあらずとも
心 ....
詩を書くあなたは
言葉に恋をすることは
自由ですが
言葉と交際することは
禁止です

愛していることを
愛していると書いては
いけません

愛している以上に
愛を言葉で綴らなけれ ....
雨が降っていたので
花を買わずに
帰ってきました
色が鮮やかだったことだけ
覚えています

雨が降っていたので
コンビニのお弁当を
食べました
ラップを取るときだけ
なぜかわくわく ....
秋を彩る木々の中
野鳥の声の閑けさに
癒す心に色染めて
見上げる空に空はなく
紅葉の玉の中にいる

聞こえる音は微かのみ
落ちる紅葉がはらはらと
なびく梢がゆらゆらと
分け行く道に道 ....
秋に咲く
花の淡さの可憐さに
光が射し
風が舞い
そっと揺れる

土の道では
こおろぎが
自分の場所を求めて
秋の見物席を探している

自分もどこか
秋の席
探せど落ち着く場 ....
「ありがとう」と言われたその瞬間
なぜだろう
口の中に栗が入ってきた

思わずその栗を噛み砕く
栗の味とその匂いが
自分を包み込む

なぜだろう
食べてもいないのに

そういえば ....
わずか25cmの彼女は
メルフェンだった
愛くるしい顔をした
庭の番人

彼女の周りにはいつも
伸びてくる草や
季節の花々に囲まれ
笑顔を絶やすことはない

時折り
トカゲや大き ....
私は
どのようにして生まれたのかは
いまだにわかりません

気がつけばずっと
あなたの裏側を見ることなく
そのみずみずしい姿だけを
何十億年も見続けて
あなたもまた
私の裏側を見たこ ....
ぼくは輝きたかった
理由は必要ない
何に輝きたいということも
特別に何もない

世の中に錆びたまま
埋もれてゆきたくはない
誰も知られない自分を
知られるのが怖いのかもしれない

 ....
石瀬琳々さんのぽえむ君さんおすすめリスト(100)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
冬のうたた寝- ぽえむ君自由詩18*06-12-11
あの日、僕は光の中にいた- ぽえむ君自由詩12*06-12-9
冬の翼- ぽえむ君自由詩11*06-12-7
冬の晴れた日の午後- ぽえむ君自由詩18*06-11-29
雨上がりの砂利道- ぽえむ君自由詩15*06-11-28
青空の花- ぽえむ君自由詩16*06-11-21
なぜこんなにも- ぽえむ君自由詩12*06-11-14
紫色の光が冬の夜を始める- ぽえむ君自由詩9*06-11-13
君はもう見たのかい?- ぽえむ君自由詩15*06-11-8
心の種が残っているよ- ぽえむ君自由詩12*06-11-7
雨が止んだので- ぽえむ君自由詩13*06-10-29
雨が降り続く秋の中で- ぽえむ君自由詩16*06-10-23
今日は晴れだから- ぽえむ君自由詩9*06-10-21
秋の夜は海と変わりゆく- ぽえむ君自由詩13*06-10-14
秋は心- ぽえむ君自由詩11*06-10-14
明日の空が知りたくて- ぽえむ君自由詩12*06-10-12
教室の窓から見える雲は- ぽえむ君自由詩10*06-10-10
雨の日の冷蔵庫- ぽえむ君自由詩8*06-10-6
古典詩ほうらむ(第二段)- ぽえむ君未詩・独白9*06-10-5
秋のカレーパン- ぽえむ君自由詩11*06-10-4
古典詩ほうらむ(初段)- ぽえむ君未詩・独白16*06-10-1
秋の一葉とあらまほし- ぽえむ君自由詩13*06-9-30
詩を書くあなたは- ぽえむ君自由詩17*06-9-29
雨が降っていたので- ぽえむ君自由詩17*06-9-27
紅葉の玉- ぽえむ君自由詩11*06-9-26
秋の席- ぽえむ君自由詩7*06-9-23
秋の「ありがとう」は栗の味がする- ぽえむ君未詩・独白11*06-9-17
人形の秋- ぽえむ君自由詩11*06-9-16
あなたという星は- ぽえむ君自由詩10*06-9-15
雨の降る夜にぼくは輝いた- ぽえむ君自由詩8*06-9-12

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