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 暗闇のなかを片輪の百足虫が走る。
 背中は凍りつくように冷めたい。
 十時が一番うつくしい、君、
 髪はながいほうがよい、
 鏡は嘘しかつきようがない、
 だって彼には腹というものがな ....
 秋が咲いた 秋が咲いた
 どの花よりもうつくしい秋が咲いた
 春まいたたねがみのった
 かわいい小粒のちいさなたねが
 みのった みのった
 かなしみの
 さてこの気さえ狂わさん
 く ....
 外灯のない家路を辿っていると、ある家の玄関にひとりの女の黒い影が見えた。
 それは私に手を振って、投げキスを数度した。
 だがそれは幻だった。ただ壁に絡まった蔦をむしっているのにちがいなかった。 ....
 行け その細い径を通って
 白銀の雨のふる 森のなか
 あたらしい宝物の絡み合う蔓植物の
 つまらない詩句の鎖を見て来い。

 案外つまらない
 つまらないものなのだ
 それゆえに ....
  
 手巻き時計のする音は、
 さながら大きな砂時計。

 砂はおのおの苦しみながら、
 海の底へと落ちてゆく。

 そこは奈落か、天国か?

 おまえに聞いても分かるまい。
  ....
Rin Kさんの白雨さんおすすめリスト(5)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
埋葬の前夜に- 白雨自由詩706-11-30
アイロニーの悲歌- 白雨自由詩206-10-8
放蕩- 白雨自由詩3*06-10-4
冒険- 白雨自由詩4*06-9-29
時計- 白雨自由詩106-8-29

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