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夜明けの手を絶ち
かたちなきものを奪い
罪を重ねる
やがてうごめくものたち
うごめくものたち
偽りの鳥たち
限られた光の下の影ふみ
遠くゆうるりと
震える獣の星 ....
夜の白が海へ飛び去り
やがて来る雨が冷たく香る
半ば空へと持ち上げられながら
ゆらめくように船は消えてゆく
長い時間に削りとられた
狭い砂浜へと夜は帰る
土 ....
ひな鳥の声が
どこまでもまっすぐにのびてゆく
こだまも 霧も
親鳥も知らずに
崖の上の森から
次々と旅立ってゆく
淡く灰色に点滅しながら
世界は世界から離れてゆく ....
バス停にライオンが伏せていた
バスを待っている人々が
たてがみや尾や背をなでていた
いろとりどりのバスが来て
ライオンはそれに乗り行ってしまった
人々は
去ってゆくバス ....