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覚えているでしょうか
始まりはとても深い海の底
それよりも少しだけ明るい窓辺の椅子
の上に、小さい体を完璧な球体に近づけようとして
息を止めていた、午後の
そこでは、君と出会った
....
夢に、夢に向かう背景には
軽く弾んだ音楽が流れていくので
踊ります君が、君として充分になるまで
僕は待ちますが、待ち惚けるのは敗戦なので
緑色の空が綺麗だよと言うと
君は送ってあげるよ、と
....
さあ、消えていこう
ほんの少しの朝食を
僕と君とで分け合ってから
いつもの通りに鍵を閉めて、出かける
いなくなるという夢を見た
そう伝えると
青色の封筒を渡されて
そこだけは、確 ....
全ての言葉が、その海辺へと集まっていく
見送るためでなく
出迎えのためでなく
肩からの荷を下ろし
波打ちへと捨てていく
やりきれない空の起伏を
ひとしきり戦わせた後で
すこやかに
ただ ....
知らない雨が通り過ぎて
心音だけが聞こえる部屋に
やっぱり私は取り残されている、のかもしれない
何かが去って
その声が聞こえて
足音が混ざり合って
雨の
ぱたんぱたんと
庭に置き去 ....
そこから音が消えてしまうと
彼は言葉で演奏を始めた
語るべき言葉を失う日のことを
ただ、朗々と奏で続ける
少しずつ無理な景色が増えていくと
喪失の夕暮れに出会ってしまう
燃える朝が安く ....
嵐の夜、だったらしい
水底を叩くように
爪先立ちで歩く恋だったらしい
苦しくない呼吸で、まだ淡い空を見ていた
今、街は静かに水没して
新しい水面を探している
六月の底辺は、眼鏡なしで目 ....