すべてのおすすめ
眠っていれば見えてくる本当の東京
お前はちゃんと寝ているのか
ちゃんと寝ていないと東京はお前から逃げてしまうぞ
お前のものだった東京が
広がりすぎて、言葉にできなくなっている
お前のものだっ ....
未来はきっと明るいと信じている
明日がどこから来るとしても
太陽はきっと東から
音もなく昇ってくる
まだ眠っている人を起こさないように
少しずつその光を強めて
朝を告げる
過去はとて ....
「えくぼ」
六月の風にゆれる
さくらの葉っぱ。
よく見たら
ぽつぽつ 穴があいている。
虫に食べられてしまったのだろうか?
穴は どこかの虫の命を みたして
穴は みずみずし ....
ハンディカムの
デジカメの
そして携帯の画面の中で
君は微笑みながらも
なんだか窮屈そうだ
僕は君の眼を見てるつもりで
君にはレンズを見せていた
写った君の数だけ
みつめ合 ....
遠くへ行ってはいけませんか?
「あ〜!こんないい天気の時は遠くに行ってしまいたいなあ。」
そんな時は頭の中の曖昧MAPで
時には南国のプライベートビーチに椰子の実が
流れ着く場所を想像 ....
ぼくは詩人
自由とはその人の心が広いほど
広いものかもしれない
今日もまた
朝の散歩をしていると
1人の女性に出会いました
朝からお酒を飲んでいる
着ている服もヨレヨレで ....
ぼくは詩人
自然が作り出す音色
人が奏でる音色
その調和されたものも美しい
今日もまた
朝の散歩をしていると
リコーダーに出会いました
道の脇に
おき忘れてしまったのか ....
赤い靴をはかされて
踊り続けるのはやだな
意外に知られていないのか
うっかりさんが多いのか
みなさん踊り狂っていらっしゃる
赤い靴をはいて
踊らされ続けるあの子が
痛みをこらえながら ....
空を見上げたくなる心境と
予定通りに降らない雨とが
またしても 複雑な今日を作り出しています
明日の行く先を
確かに誰も知りません
ただ わかりきった結末も 実は多くあるということ
そ ....
とほうにくれるところで
重ならないでいる
身体の温みの底で
遡れない時の残響が笑っている
空のような深い過程が
手と手を結びつける引力ならば
きみとりんごの木の下まで歩いて行って
飼って ....
青春が溶けて
空に垂れて広がる
そして空は
青色になる
雲は青を食い散らかさずに
自分の色を忘れない
僕は青色の靴を履いて
神よりも空が好きだと
外に見せびらかす
黄色の ....
死んでいる詩を
生き返らせるためではないにせよ
結果として
先達詩人が
残したもの
詩人ギルドではなく
商業詩人の会ではなく
なんだか解らない世界を
そのままの形で ....
夏の日 帽子を残して
水平線の先が見たいと少女は
夕焼けが水面を染める
裸足で砂を踏みしめると
体温によく似ていることすら
知らないまま
空との区切りが曖昧だから
触れてはいけな ....
フトンを干している間は
空を見れる気がするの
焦燥やしがらみにとらわれない
自分だけの空を見れる気がするの
フワフワのシッポに頬を撫でられるような心地よさ
風の川が足元をせせらぐよう ....
さあい さあい
砂の道
緑がなでる
石の道
さあい さあい
雨の指
空も 窓も
夜になり
月は廊下に
横たわる
さあい さあい
光る息
粒の声が触れ ....
階段を駈けあがる音つづいて扉をたたく音
新聞屋のたぐいかと思えばきみ
洗い立ての髪が匂う
いつかの女の子と同じシャンプー
がさごそいう白いポリ袋も同じ
決まって長葱が顔を ....
薄い赤は
赤でありながら
その美しさのため
もうひとつ名前をもらった
赤に白をたっぷり混ぜて
桜色
少しの春と
たっぷりの青空を混ぜて
桜色
(喪失の物語)
毎日の記憶が体積して
棚や机の引き出しや流しの下など
部屋じゅうに溢れて暮らしにくくなったので
彼女は思い立っ ....
朝食は要らない
体と私が切り離されたような
錯覚よりも確かな感覚に
足を捉われながら
歩かなきゃならない
落書きのような歌を聴きながら
心を発しないように気をつける
つぶやいた言葉は ....
コロンブスがタマゴを見ています。
コロンブスがタマゴをじっと見ています。
タマゴはコロンブスを見ていません。
タマゴは世界を見ています。
タマゴは世界を洞察しています。
....
その日も、少年(予定)は、間違えた言葉をそのままに口にする
変換の仕方も削除の方法も、最後には気付けないことばかりなので
いつまでも、「あ」と「い」が上手く発音できない
それでもいいか、なんて思 ....
悲しかった
ただ悲しかっただけだった
人を恋することは良いことだが
恋をしてどうなる
その恋がみのるみのらないは
運任せ
恋は本当に自由気ままに
舞っている花 ....
飲むヨーグルトを飲んだ
飲まないヨーグルトは飲まなかった
食べるヨーグルトは食べた
食べないヨーグルトは
食べなかった
幸せなヨーグルトは
幸せに満ち溢れていた
虹のかかるヨ ....
「私がおばさんになっても」と森高は歌った
ついこの間のことのようだけど
もう十二年も前の話だ
その年に僕らは結婚した
つまり、僕らが結婚して既に十二年たった
ということだ
僕は一度、交 ....
ほどけた靴紐を結びながら走った
朝はいつも苦手で
腕組みしている先生の顔を見ないように
校門を駆け抜ける
一時間目から六時間目まで
机に突っ伏して眠り
部活だけはさぼらなかった
そん ....
赤ちゃんが乗っています
世間でステッカーがはやりはじめると
和泉町3丁目にある零細ステッカー会社の社長はへそまがりだから
赤ちゃんだけ特別扱いするのはおかしい と言い出し
次のような亜種をどん ....
体じゅう
寒気が
激しい朝
詩がとどく
さむいのに
雨なのに
書いたひとの気持ちが
きれいな色が
入り混じって
ここまで
とどく
チョコレートを
私はスペインの
よく冷え ....
となりの人
となりの人、名前は知らない
いつも夜に帰ってくる人
だからまだ会ったことない
だってとなりの人が帰ってくる時間
僕はもう布団の中だから
となり ....
星明りを知らない。
月が今も足元や景色を照らしてくれるように、
星明りも言葉だけのものではなかったはずなのだが。
そんなに大昔ではない昔、町でもなければ雨や曇りの日、
ひとは足元も ....
手すり
よく冷えているので
天からの雪
形のままに
地面
よく冷えているので
やがては雪
透き通った氷の柱に
どこに
人語を介する
なにが
人語を解する
中谷ダイア ....
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