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眠れない夜
眠りの水面で
寝返りを繰り返す
眠りを手で掬ってみるのだが
すぐに指の隙間から零れ落ちる
意を決してうつぶせになり
眠りの水面に顔を浸けてみるが
すぐにくるりと仰向けに ....


昔、三人の男が互いに足の速さを競っていた。最年長の男はやがて体力が落ちてきて競争から脱落した。だが彼は、健康のためにいつも歩き続けることを自分に課した。凡庸な男はやがて自分の才能に見限りをつ ....
鉛筆の一側面の上半分が
白く光を反射している
右目で見たときと左目で見たときでは
白い光の領域が違う
僕は透明な手を鉛筆へと伸ばすが
途中で疲れて手は霧消する
鉛筆が置かれてあることと
 ....
    くびする糸者
     冷れみて    児
かなさり住に
    おへよっておへよって
              らびが爺ね

東北新幹線の空洞を貫く抒情性を少しも吸収することが ....


西野が平原を歩いていると、前方に小さな小屋が見えた。小屋には東西南北に四つのドアがあった。

西野は南側のドアから入ろうとしたが、小屋の中には入ることができず、そのまま東側のドアから出て ....
 休日の朝、西野は8時ぴったりに目を覚ました。
「なんてことだ! 8時ぴったりに目を覚ますなんて! きっとこれは、俺が幼い頃母親に欲望を抱いていたから罰が当たったにちがいない。時間のやつが、世の中の ....


西野は佐川透あてに手紙を書いていた。佐川は西野の年来の友人である。

「……先日はお招きいただきありがとうございました。佐川君の知的刺激にあふれた話を聞けてとても楽しかったです……私はと ....
少年の庭に咲かれた一輪の花
匂われて
光られて
やがて散られてゆく
そんな花の花
の花の内側を醒ましてゆく
夏の繊毛
角膜
破瓜
少年は不安によって
空間を把握する
不安の立面に ....
密集した小さな穴々から、予覚された円柱へと、いくつもの湯の筋が地の粗い曲線を描きこむ。湯の筋に閉じ込められた空間は火のゆらぎをきざしているが、私の体によって、様々な輝度から破壊される。この瞬間にも、時 .... 展示された日々にひとつひとつ形をあたえてゆくと、球のまざった菱形がひとつだけ余ってしまう。菱形は情念に光の島を落として、情念は菱形を斜めに転調させる。君はこの菱形に所有されていたのか。

君の肺は ....
「樹を」
折れてゆく私の直線をめぐって溶け出す樹々、の泳ぐべき海の直線。泳ぐのは海、ひらくのは海。樹の斜線は海を分解して新しい樹々の斜線を生産する。いくつもの遠さに囲まれながら樹はかわくのをやめない ....
 私には自分が岩であった頃の記憶がない。だが、確かに私はかつて岩であったのだ。恐らく私は、人の欲望に汚染されることのない高山の頂上付近で、時折空から降ってくる虚無の波を一身に集めていたと思うのだ。ある .... はじまりのない海は、飽くことなく月光を滅ぼし続けた。海の窓はいつでも閉ざされていて、裂き傷のようなものが表面をいろどるだけだ。海の上では乾いた街の幻影が旋転していて、槍のような水柱を呼ぶ。街は律動する ....
今唯ケンタロウさんの葉leafさんおすすめリスト(13)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
駆け込まれる- 葉leaf自由詩7*08-8-28
神話- 葉leaf自由詩19*07-6-28
- 葉leaf自由詩16*07-4-29
- 葉leaf自由詩17*07-4-28
逆流- 葉leaf自由詩7*06-10-28
- 葉leaf自由詩3*06-9-29
荒絵- 葉leaf自由詩7+*06-8-28
- 葉leaf自由詩1606-8-26
生活- 葉leaf自由詩6*06-7-28
光根- 葉leaf自由詩7*06-6-28
啓示- 葉leaf自由詩19*06-4-28
- 葉leaf自由詩10*06-3-28
- 葉leaf自由詩10*05-10-28

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