背なか 背なか
もたれかかった珪藻土の壁には
真昼の温みが宿り
後ろから
春の衣をふうわり掛ける

あし
足もと
埃だらけのズックの下で
蒲公英は蹲り
カタバミが少し緑を思 ....
希望をさがすぼくらは

アスファルトの道を

歩いていた

ただ何にも雑草も花も石も風も

本当に何もない道に

希望というモノはあるのだろうか

だがぼくらはこのまま引き返す ....
ギターの弦掻ッ切るような
痺れるカッティング
苛立ちと陶酔の間で
完璧にチューニングされた
弦と弦が唸りながら
永遠にループする
刹那の爆発
歪みきっているのに
限りなくクリアな
耳 ....
不幸になりたいとおもっている人が本当に不幸になったらそれは幸せになっちゃうんだ。
今日絶対忘れたくない言葉。
不幸になりたいっておもって生きてた?
でも世の中の人はみんな不幸を願っても幸福になる ....
どの糸をたぐりよせるかは      ぼくが決めること
どの糸を強くたぐるかは       ぼくが決めること
どの糸を切り捨てるかは       ぼくが決めること

ぼくの糸をたぐりよせるかは  ....
汗染みだらけの帽子を目深に被って
叩きつけるような陽射しの中
スーツ姿のサラリーマンの流れに逆らうように
足早に歩くあなたを見かけました
頬には汗が幾筋も流れ
まるで涙のように見えました
 ....
立ち並ぶビル群の幽霊
ビル風が吹き抜けると
敷かれゆく風の線路の上
滑らかに空中列車は行き交う

乗客は皆視線を落とし
日常に見つからぬ出口を
携帯電話の画面に封じ込める

 「 ....
エミリー
あなたと最初に出会ったのは羊水の中
あなたは何も言わず
私を蹴って押し出してくれました
あなたはそれっきりそのままで
難産だったと語る母にあなたのことを訊いてみたのです ....
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