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たいていのものは飲み込める歳になった
鞄の中でイソジンがこぼれた
五センチの隙間からチェンジと言われている
携帯小説読んでも文学少女と呼ばれ
なじみの客がとってくれた宅配のピザ
....
自明なるものに囲まれているから
ぼくらの内側では
一切の悪が育ってゆくのだ
風景としての自分に
すっかり慣れてしまったぼくらは
生まれた瞬間からすでに年老いている
という叫びの正当性を ....
清らかな
つぼみにむすめと
名を付ける
母の手をひく
二人のむすめ
*
残り香も
くれぬあなたの
着たシャツに
影を重ねて
子としての愛
*
滑り込む
指先に
目を奪われて
あなたに許す
花 ....
ほころぶつぼみは
握りこぶしを揺らす
乳飲み子の
すこしひらいた
くちびるのように
まあるい頬のように
まだ寒々とそらが暗く
いよいよ産まれる朝、
あなた
病室にとんで来て
....
ごらん、
イルカが橋を飛び越えて行くよ。