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おはようございます。
(みつとみ)は晴れた日が続かないと元気がなくなるようです。
そこで。

道ばたで(みつとみ)を見かけたら、
鉢にいれて、水をあげて、
晴れの日はテラスやベランダに置い ....
自分すら他人に思える夜。わたしは無精ひげに、アクセサリーの水晶をつける。本を拾い読みし、起き上がりベッドにすわる。マリン・ブルーの表紙に手を置く。こめかみが痛い。胸に水晶の玉がゆれてあたる。外を走るバ ....  日曜日にわたしは、レジャーランドで、クリスタルのユニコーンを買い求め、夜のバスで家に帰る。窓の外は、暗がりの裂け目。
 窓には夜の空。自宅の浴室でうっすらとしたヒゲをそり、黒いセーターに着替えた。 ....
 わたしは失業し、夏を迎えた。記録的な真夏日が続いている。ここしばらく風邪をひいていた。咳が出る。寒気がす ....  女の声が頭の中に響く。澄んだ高い声。日に日に声は大きくなるような気がする。声を聞く以外、わたしには何もできない。偏頭痛がしそうで頭を振る。空き地に捨てられた車がある。栞を座席の上で見つけ、車の中に入 ....  わたしには女の声が聞こえる。誰にも似ていない声。でもひとには話さない。話す相手もいない。流木の散らばる砂浜。わたしはひとりで波間を眺める。ジーパンの後ろポケットに突っ込んだ神話の文庫本。もう何度も読 .... 揺れている。揺れている船の上、喉が渇くので、ペットボトルの口を開ける。ミネラルウォーターを飲む。
(ひたすら漂いたい気分だ)
 わたしは退院後、船で島に向かっていた。誰もいないところに行ってみ ....
 女はわたしといっしょに海の中に入りたいと言った。女には尾びれがあり、わたしには足があった。わたしたちはあのとき、海に入っていった。女が先に進み、わたしは後ろからついていく。波が胸元まで来たところで、 ....  点滴を打たれながら、病室の窓から海を眺めていた。看護師が言うには、わたしは雪の降り積もる中、マーメイド海岸でひとり倒れていたらしい。音もなく波が白くよせている。意識が戻って二日たった。熱が下がらない ....  冬は好きではない。失業してから外出が減った。TVを見るか寝ているかだけで、二ヶ月が過ぎた。TVでマーメイド海岸のCMを何度も見る。海面から顔を出し泳ぐマーメイドの姿。面接や職安にも出かけるが、就職先 ....  冬はまだ続いている。海からの光で、部屋は青に包まれている。神話の本を繰り返し読んだ。岬には女の顔をした鳥、ハーピーがいるという。元は風の精ともいわれている。そのハーピーが舞う岬から、水平線の彼方を見 ....  冬になり、女の顔をしたバードは飛び去った。わたしは、あの時の車をスクラップにして、海の見渡せる丘に部屋を借りた。情報誌でバイト先を見つけた。倉庫の仕事に就く。朝七時半、精神安定剤を飲んでから、家を出 ....  一人でいることに、何年も飽きなかった。シートの、海に伝わる神話を読みながら、永く暇をつぶしていた。精霊の女、の横顔の表紙。空腹の中、海に向かう道、カセットで、オペラを聴きながら、わたしは車を走らせた ....
夕凪ここあさんの光冨郁也さんおすすめリスト(13)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
草花(みつとみ)の育て方- 光冨郁也自由詩11*06-10-10
サイレント・ブルー- 光冨郁也自由詩406-6-14
ユニコーン- 光冨郁也自由詩606-2-12
夏風邪- 光冨郁也自由詩6*06-2-11
ミニ扇風機- 光冨郁也自由詩4*06-2-3
空き地- 光冨郁也自由詩606-2-2
漂着_(連作8)- 光冨郁也自由詩8*05-2-6
霧(ミスト)_(連作7)- 光冨郁也自由詩9*05-2-5
海の上のベッド(連作集6)- 光冨郁也自由詩8*04-11-22
マーメイド海岸(連作集5)- 光冨郁也自由詩11*04-10-22
翼(「バード連作集3」)- 光冨郁也自由詩12*04-10-17
ブルースカイ(「バード連作集2」)- 光冨郁也自由詩15*04-10-15
バード_(「バード連作集1」)- 光冨郁也自由詩20*04-10-13

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