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大好きな背中
後ろから抱き締めて
そっと耳を当ててみた
トクン
トクン
君の{ルビ鼓動=おと}を感じて
目を閉じる
トクン
トクン
一定のリズムを刻むそれは
きっと ....
戦うだなんて たいそうなこと 言ってますけど
なにを もってして 戦うと 言うのですか?
敵なんて 見えて
ないくせに 。
なんにでも なれる可能性
誰にだって
多くはないけれど
それって ある
ずっと 誰かの真似を
してるわけには
いかないけれど
自分に なりきって
みたいと 願う ....
卒業写真には 彼は 左上で
蝋人形みたいな 無垢な顔で
佇んでた。
彼の おとうさんに見せてもらった
写真には 今まで 見たことのない
屈託のない 笑顔って やつで。
山田 ....
まんまるな まるで天使みたいな笑顔で
写真なんかに 納まりきれない 歓喜というか
「ありがとう」ってさっきから
声がかれるまで 言ってる。
鼻水なんて もう、口に入っちゃってるのに
....
酔いしれて{ルビGOOD NIGHT=グッナイ}
魅せられて{ルビDoKin!=ドッキン!}
恋の花粉よ{ルビRAFFLESIA=ラフレシア}
鼻が邪魔にならないかしら
花が邪魔にならない ....
宵闇は
切り子細工の紅茶に透けて
紫紺も琥珀の半ばでとまる
グラスの中では
流氷が時おり
かちり
ひび割れて
薄い檸檬の向こうから
閑かに海を連れてくる
壁の時計は
ゆるり ....
コートの袖口に
凍った風が刺さり
いつか繋いだ掌を思った
小さな歴史が吹き飛びそうな日には
冷静を乱し
きみ行きの列車に
乗ろうかと考えたりする
枕木に光る足跡を
小さな獣 ....
たとえば
カーテン越しの陽だまりに
できるだけぽつんと
たよりなく座ってみる
時計の針の
こちこちという音だけが
胸にひびくように
明るみの中で目をとじる
いつの日かお ....
我が子の繊細な横顔の
そのとりわけゆるやかな{ルビ頤=おとがい}に触れたくて
私は
そっと静かに手を伸ばす
触れたい
触れたくない
その繊細な構造を知りたいのに
やさしい{ルビ頤=おとが ....
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