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あの頃ぼくは若かった
世界を知っているかのように
ヒーローは間違いなく
ぼくの味方だった
太陽は
抱くべき
自然そのものだった
強く打ちよせる波を
いくつも
こえて
本当に大切なも ....
赤ちゃんが乗っています
世間でステッカーがはやりはじめると
和泉町3丁目にある零細ステッカー会社の社長はへそまがりだから
赤ちゃんだけ特別扱いするのはおかしい と言い出し
次のような亜種をどん ....
路地でしくしく泣いてる人がいた
黒いマントに身を包んだ
綺麗な銀色の髪をした人だった
気になったので声をかけてみたら
彼は自分を魔王と名乗った
私は魔王を家へと招待した
縁側に座らせて ....
こわれてもいいよって
ヒツジがさみしく笑った
夕方の風にのせて
少しなぐさめてあげたい
鉄棒の影が背中に届くと
校庭は静かに冷えていく
ハーモニカを吹く少女よ
クローバーは伏し目がち ....
賭けのために娘ひとりに声をかけたのも
その娘が遊びつかれていて
しかもひどく傷心だったことも
雨がちょうど降ってきたのも
折りたたみ傘を広げて中に入れたことも
アンクレットの些細 ....
鳩のような鳴き声
黙々と低速のまま刻む
くちばしの先 空虚な言葉
予定どおり人々は流れゆく
スローモーション再生
喧騒は未だ破られることなく
しらじらしさ 微光を放つ
吐き気がする
....