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蝉時雨が肌を刺す
てんでに湧き起こる
雲の峰の下
白き猫と対峙する

突然の珍客に身構えた
野生の瞳は鋭く
こちらを値踏みしている
ようだが

耳はフルフルと
右へ左へ落ち着かず ....
モノ言う知事の鶴の一声で
急遽ネーミングが変わったのだが
大江戸の名は意外に馴染んでいる

最初は環状線になるはずだったのに
いつの間にオタマジャクシ型に
計画変更されたのだろうか

 ....
いつかあたりまえのことを美しい言葉で書くことが叶うのだろうか
いつか美しいものをそのまま提示して成り立つ詩が書けるだろうか

ほんとうは人生の意味を掴みたくてたまらないのに
ほんとうは美しいも ....
リリリリー
公共地下道に蟋蟀の鳴き声が
響き渡る

蟋蟀の
姿は見えない

最近の公共地下道は
明るすぎて人工物まる出しで
めまいがする

塾帰りの中学生たちが
とめどなくおし ....
僕には手立てがなかった
君を忘れようとするしか
空しさをほどく術はなくて

叩き着けるように
書き殴られた手紙が届く
乱雑な折り目を開いて目を通す

君が去ったことを思い知る
追いか ....
それは樹齢数千年の老木のように
ごつごつと皺くちゃな
堅い表皮を持っている

アルミニウムの廃物で作られた
それは機械でもなく樹木でもなく
しかし天を目指してすっと立っている

その足 ....
岩本町駅は秋葉原駅のすぐ近くにある
けれどアキバ地区の裏にあるから
いまひとつ道を覚えられない

乗り継ぐ時は一抹の不安を感じながら
未だ見知らぬ街を抜けて
岩本町/秋葉原駅を目指している ....
パラパラ
パラと
中途半端に雨が降る

傘を持って行こうか躊躇する
空は薄曇り
天気予報も曇

曖昧なことが
日常には多すぎる

学校では
正解がある問題ばかり
教えられてき ....
神田方面から三越本店を通り過ぎた
交差点の向こう側が日本橋だ

高速道路が橋の上を覆って景観が
損なわれているとテレビでも書籍
でも当たり前のように言ってるか
らゴチャゴチャ閉塞的な景観に ....
まわるまわる
空間に溶けだすように
しなやかな身体を投げだす

無限ステップはミニマムなリズムに隷属し
時間を引き伸ばそうと
あるいは無化しようとする

そのリズムに身体を預けた君は
 ....
僕は迷わず選んでいこう
来るはずの明日の為に

*

何をしたらよいのだろうと戸惑ったまま流れていく
海に向かって

揺れ落ちて溶け行く陽を
君とふたりで見ていたのは

**
 ....
君が手を握り返してくる

ほどけかかった髪を
気にもとめずに
夢中で遊んだ帰り道

陽が傾きかけた
商店街で
君は目をキラキラさせて

さっきまで握っていた手を離して

駄菓子 ....
夕暮れの
韓国料理店の
店先に
出された
長椅子
の上に
地球儀が
鎮座する

海の色は
リアルに
青く
塗られている
くせに
陸は
ピンクだの
レモンイエローだの
 ....
考えてみれば終点の西高島平は
笹目橋のたもとにあるような駅で

我が家から結構近いところを走っている
はずなのだが印象が薄い

開業当時の電車はもう引退して
地方鉄道で第二の人生を送って ....
先週の金曜日に係員が
片っぱしから抜いてきた芥子が
車庫に運び込まれて

取りあえず焼却炉に火が入る日
まで
放置していた

 チョクシャニッコウハアタラナイシ
 カゼトオシモイイカ ....
微かに本が吐き出していた
縁の糸に絡み取られたように
また
導かれた一冊の詩集

図書館で目にすると
迷いもなく借りてきた


けれど貸し出し期間の半分が過ぎても開けず
10日が過 ....
彼女と手をつないで今夜
麓の街で開かれる
夜祭りを見に行く

月明かりが硬く降り注ぐ
蒼ざめた石畳の街の四隅に
かがり火が燃える

やがて大弓を載せた
台車が四隅から繰り出して
街 ....
慌ただしい朝
出勤前に身だしなみを整えていたら
妻から声がかかる

 バァチャンガナクナッタ

僕らの結婚当初からお世話になっていた
九州から出てきた妻は母親代りに慕っていた
おばあち ....
赤い電車も地下を走る
インバーターの
メロディーを奏でて

浅草/日本橋/銀座/新橋と
旧き佳き時代の繁華街を結び
雑多な電車が駆け抜ける

三浦半島から成田空港へ千葉NTへ
インタ ....
心地よい浮力を感じながら
どこまでも流され続けようと覚悟する
その心意気だけで日々を過ごし
世界を変えようとしている

隠れたセオリーを白日の元へ引きずり出す
幸せに繋がる/がらない/のか ....
夏の縁側に腰かけて
入道雲が真っ青な空に湧き上がるのを
見ている

背後の部屋は暗くて
ひんやりとしていて

もらい物の生菓子を食べようと
手を伸ばした瞬間

チリリ

(一陣 ....
人生の軽さを言いながら人生の重みを感じさ
せる。
   そんな境地に僕もいつか辿り着けるの
だろうか。
     ノイズとスクラッチとギターとピ
アノと正弦波とドラムとベースとライムのよ
 ....
駅から我が家への道の半ば
江戸時代に開基された由緒ある寺で
お通夜が営まれている

普段は併設された幼稚園の園児が
遊んだり運動したりしている地蔵堂に
祭壇が設えてあって

地域の生活 ....
何も残せないと分かっていたとしても
踏み出すべき一歩はあるはずと
遠い雲に問いかけてみる

僕が目指すべき地はまだあるのか
戸惑いながら歩いていく

朝に夕に
呼び掛ける人の声の暖かさ ....
走り出して一年弱
開通フィーバーも
忘れたかのような
副都心線の渋谷駅

ホームの真ん中に
露出している線路
オブジェのように
まだ無意味に佇む


急行があることを
失念して ....
わぁ泳いでる

宴会場に入ったとたんに
女性陣から声が上がる

浅い椀に入った白魚が
勢いよく泳いでいる
透明な体に赤い心臓
鰓が細かく震えている

勢いあまって椀から
飛び出す ....
彼女は無防備に笑う
笑っているように見える

僕はそれが羨ましくて
弟が居ることを少しだけ恨む

一人っ子の彼女と彼女の両親の
三人の生活を僕は想像できない

考えてみれば僕は
四 ....
固い蕾が座っている
春の陽射しのなかで
凛として震えている

パッと咲けという人が
最近はとみに多くなったけれど
慌てなくてもいい
はずだ

じっくりと根を伸ばし
ゆっくりと綻んで ....
心がザワついて言葉にならない
ノイズ
情動はまだカタチにならなくて

いやカタチにすると
自分が惨めになりそうだから
カタチにしないのかもしれない無意識に

思わぬ出会い
僕は少し離 ....
暗い薄墨色の空を
綿ぼこりのような
存在感のない雲が満たしている
空がすごく低い

薄い夜空から落ちる雨が
僕の身体に滲みこんでいく

街灯に透ける僕の指
二重にブレてぼやける
街 ....
こめさんのkauzakさんおすすめリスト(63)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夏の猫- kauz ...自由詩9*09-8-18
大江戸線- kauz ...自由詩10*09-8-14
あたりまえの詩/美しい詩- kauz ...自由詩14*09-8-8
蟋蟀が鳴く/ひとりごちるように- kauz ...自由詩7*09-8-3
僕には手立てがなかった- kauz ...自由詩5+*09-7-29
セコイア- kauz ...自由詩7*09-7-24
新宿線- kauz ...自由詩8*09-7-19
中途ハンパに雨が降る- kauz ...自由詩9*09-7-14
日本橋- kauz ...自由詩7+*09-7-9
フラップダンス- kauz ...自由詩4*09-7-4
僕は迷わず選んでいこう- kauz ...自由詩7*09-6-29
括った髪の分だけ、返して掌- kauz ...自由詩10*09-6-24
地球儀- kauz ...自由詩11*09-6-19
三田線- kauz ...自由詩8*09-6-14
抜かれた芥子はすぐに蕩ける- kauz ...自由詩7*09-6-9
闇と親和する度量- kauz ...自由詩7*09-6-4
祭りの夜- kauz ...自由詩5*09-5-30
悲しみを見失って- kauz ...自由詩7*09-5-25
浅草線- kauz ...自由詩10*09-5-21
心地よい浮力を感じながら- kauz ...自由詩8*09-5-15
Rへえへくくらへら- kauz ...自由詩17*09-5-10
越境する音楽- kauz ...自由詩10*09-5-6
帰り道- kauz ...自由詩5*09-4-30
何も残せないと分かっていたとしても- kauz ...自由詩7*09-4-25
副都心線- kauz ...自由詩6*09-4-20
踊り喰う- kauz ...自由詩11*09-4-15
二人で過ごすためのレッスン- kauz ...自由詩7*09-4-10
- kauz ...自由詩7*09-4-5
情動/ノイズ/嫌悪- kauz ...自由詩6*09-3-31
リレーション- kauz ...自由詩14*09-3-26

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