すべてのおすすめ
ベイブリッジ近くの流行りのマンションは
遠くからだと暮らしの明かりがあたたかだけれど
ロビーでこうひとを待っていると
ちゃちでざわざわとしたものにしか思えてこない
ビジネスマンがエレベーターに ....
車窓から
いなかのひとなにしてる
いろんなことで時間つぶしてる
人類と娯楽
そのおっかけっこ
人類と仕事
いろんなひとなにしてる
いろんなことでひまつぶしてる ....
雨がふります
風がふきます
さくらの帯が
蒼ざめたアスファルトに
朽ちてゆきます
自動販売機をまがります
白猫がかまえます
大気が雨に洗われます
大気を ....
橋を渡る
象徴)桜が添付される
光と影が
象徴)見つめている
ぼくらはどこから来たんだろう
橋を渡る
悲しみ)桜が添付される
光と影が
悲しみ)混ぜ合わせている
ぼくらはどこへ ....
ざわめきが形を成してゆく
宇宙のものまねは
不安のものまねに似ている
さくらはこの世を化粧する
そこかしこに銀河
そこかしこで爆発している
この世を歩いているの ....
胸にひっかき傷
葬式の写真は笑ってら
葬式の文脈で
それ消化されてゆく
おまえ歌うまいな
おまえもうまいよ
メシくいにいかね
胸にひっかき傷
葬式の写真 ....
暮らしは
繰りかえす旅のようだ
ひとそれぞれ
いろんなことがあるから
近くにいる
いつも顔を合わせている
さしだされた風、渡っている
悲しませたくない
....
いつも世界はあたらしい
今は今、過ぎ去っている
今には今、未来が流れこんでいる
だから時間ぜんぶが
今、だと思えれば、今、なんだと思う
いつも世界はあたらしい
....
両手で女の肉を喰らう
目や耳や鼻でそれを啜る
女という木々の懐で
体温だけをよりどころにして
せつない、
ことをかき集めて
情事の大義名分にしている
新緑 ....
円満がいい
さいきんやっとそう思えてきた
円は点のあつまりだ
円に接線をいっぽんひく
接点の
両となりの点は
その接点より引っ込んでいる
しかし
この三 ....
まえの席に
こどもを連れた奥さんがふたり
ひとりの奥さんの横顔を見ながら
出張さきのファミレス
まだしずかな店内で仕事している
このひとの抱えている
幸福という価値 ....
夜を歩いている
恋人と携帯で話しながら
別れ話をあそびながら
出張さきの地方都市
ふるくてほそい商店街
その奥の細道を
恋人と携帯で話しながら
別れ話をあそび ....
二十六だった
そういえば
こんな季節、三月も終わりの頃
夕暮れの商店街を歩いていた
腹立たしいことがあって
その日は早くに職場を離れた
そんな時間帯の
光にい ....
桜咲く
胸痛くなる
木蓮がそれを告げる
傷つく準備かたくする
君と再会してしまえば
宇宙の碧まで連れてゆかれる
暗闇のような碧まで
堕ちてゆくように舞い上 ....
罪の報いは死
ゴルフの帰りみち
そう教会の看板にあった
こんなことを言葉にしてみた
裁かれていることに
人の命は鈍感なのではないか
きみは神を選ぶのか
き ....
春は夜ひびく
雨だろうと
風だろうと
ひとりで歩こうと
乳房は湿っている
夜のひかりが縞をつくる
泳いでいる
探している
いくとせがたち
....
ぼくを二度寝させた
ふくよかな光と水色
朝から黄砂で太陽は
鏡のように
鏡のように
空、風、なみだ
空、風、なみだ
ぼくらは忘れよう
旅立つ日々だろ ....
まいにちが
わかりやすいしあわせに
みちた日々であれば
ぼくらはそれを
しあわせと呼ぶのだろうか
春のかおりが
夜にひびいている
ぼくらは
さびしく ....
しあわせのなかにいた
そのなかにいて
しあわせをかんじていた
ひとに迷惑をかけたくなかった
すくなくとも
きのうより前向きでいたかった
しあわせのなかにいたくて
....
水色の匂いがした
午前の光に撹拌されて
僕と彼女の鼻に入り込んだ
どこかで蛙の卵が匂う
別れの空虚が
新たな予感が
季節を越えた
二人の匂いがしている
....
おまえが売春婦なら
と思ったことがある
失礼な話だから
おまえに言わなかった
こんな関係なら
おまえが売春婦で
オレが客であるほうが
だれも苦しんだり
....
娘をうしない
生きているか
死んでいるかもわからない
そこにつけいった輩に
七千万円だましとられ
それでもきょうも娘を探している
不時着した日本兵をかくまった日 ....
宇宙と
そこに存在するものとのあいだには
違和感がある
物理学者も
宗教家も
画家も小説家も詩人も
私たちも
それと折り合いをつけようと
日々をいとなむ ....
高速はビル群をすぎて
すると町並みはずいぶん平野で
夕暮れる武蔵野をはしっていた
白くて麗しい彼女に
告白してしまいそうだ
自由な選択
でもそのあとを知っている ....
保守的なフォームで癒し
好奇心と反応探している
銃声が聞こえる
聞こえたら絶命している
はずなのに
悪魔に憑かれた夢
霧のなかで
倒れてるのはだれ
そん ....
傷をつけると古びてしまう
古びさせるには傷をつけたらいい
ゴッホの絵のまえに立っている
ゴッホがいた距離のなかにいる
なんだか泣けてくる
あたまんなかで拳銃の炸裂音がする ....
乳房が熱くなって
きみの鳥肌が湿っている
きのう出会ったのは
地方都市の中華屋でだった
客はふたりしかいない
そのあとカラオケに行った
十五の夜を歌う
きみは ....
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