すべてのおすすめ
焼けていくその空は
思ったより高くなかった
天に伸ばした手が燃え染まる
風が私と空をつなぎ
とけていく境界線
明け方の雨が露のごとく
草にとどまっている
匂い立つ今 ....
止まない雨
消えない雲
見えない気持ち
気付かぬ想い
晴れろ空
照らせ太陽
届け ....
木の葉が開き始める頃
言葉も広がり始めます
光が当たるように
大きく伸びてゆきます
そっと行ってごらん
風が葉を揺らし
言葉が鳴っています
木の葉が開き始める頃
心も広がり始めます ....
わたしはいつも、つつまれている。
目の前に広がる空を
覆い尽くすほどの
風に揺られる{ルビ椛=もみじ}のような
数え切れない、{ルビ掌=てのひら}に。
その手の一つは、親であり ....
うまくいえない気持ちに
怯えてる
関係のないオトばかり
溢れてる この街で
つながれたままの
コトバたちと
冷たくなったままの
この指先と
この心に うたを灯そう
君にも届け ....
農家のおばあさんが
小さな乳母車に載せているのは
自分の畑で育てた花だった
生まれながらにして背が低かった
歳をとり腰も曲がってしまった
それでも車いっぱいに花を積み込んで
今日も花を ....
「良いことをするのに理由はいらない」
そう友達に言われて…
涙がこぼれた。
ずっと言って欲しかったけど、
なんて言葉で… 誰に言って欲しかったの ....
芝生の上に横たわると
青が見えた 鳥が見えた 飛行機が見えた
ふと影が差したと思ったら
白いシャツが落ちてきた
二階の窓から母さんがごめんと言った
ああ 天使かと思ったのに
世界中の風を収集すると
古い書物から頁が捲られてゆく
幾つもの考えは
風の形になる
ベドウィンのテントに吹く風
サーミのテントに吹く風
敦煌の砂に吹く風
風を折るように
また祈 ....
大きな布を広げたような
遠さのない空
ほどけた糸が絶え間なく
無言の街に降る
僕は何を創ろう
濡れたその糸で
痛みを忘れた
この指先で
耳が聞こえないのに
風鈴を近所のホームセンターで
買ってきて
「ねぇ、これどんな音がするの?」
だなんて
やめてくれよ、母さん。
「ねぇ、これどんな音がするの?」
そんな ....
一歩前に踏み出した足
一歩後ろに下がる地面
たぷんと揺れる水
とぽんと跳ねる金魚
ほらご覧と覗き込む僕
あら綺麗と覗き込む君
うつむくしかなくて
うつむくしかなくて
....
頭を振りながら
そんなのはちがうと
胸の中で呟いて
もう一度
自分の目の前の世界に
焦点を合わせる
強くなりたい
強くなれ
現実に打ちのめされても
....
この叫びは
誰のためでもなく
私のエゴだけで
綴られている
金色包み紙 たくさん抱えて
お金だと思える わたしは 幸せ
大好きな歌だけ 永遠にリピートする
青色ばっかり 追いかけて
愛のことばなど 取るに足らない
君の温もりを確かめる
一番簡単で
一番難しくて
一番大切な方法。
繋ぎたいけど
繋げない
そんなもどかしさも
君と僕を繋ぐ
温もりへの過程
手を伸ばした先に
掴みかけた陽射し
するりと零れ落ちる
温もりが少しあって
冷たさがやって来る
1月の空に投げかける
呟きは喧騒に隠れ
とめどなく詠う詩は
誰かが作ったものだけ ....
寝ている猫の鼻先で
小さな風がうまれます
小さな風は
小さなうずまき
うずまき
いくつも
転がって
うずまき どこまでいくのかな
うずまき まっすぐ転がらないから
....
ある時は私の心の支え
ある時は私の心の安定を乱す
ある時は私の心を満たし
ある時は私の心を空っぽにする
ある時、あなたは女神であり
ある時、あなたは悪魔となる
ある時、あなたは恋人であ ....
深々と 深々と
降る雪は
空からの手紙
地面に落ちて
消えて 積もって
その存在を示す
海に降る雪は
深々と 深々と
積もる事は無い
ただ 深々と 深々と
降るだけ
....
少しづつ 咲く花も
少しづつ 枯れる花も
同じ時の中で 生を流れる
めざめて
めばえて
よりそい
続かなくなる息なのに
止める事に こだわり
いつまで夢をみるの
....
歌うのが好きなんです
とても自由になれるんです
気持ちいいし温かいし柔らかい
とても幸せになれるんです
それはもう一つの宇宙なんです
私は歌って遊ぶのが大好きなんです
自由を満喫す ....
言葉を紡いでいる人がいるという
言葉の繊維を解きほぐし
紙にしたり
糸にして布にしたりしてから
その上に文字というものを書くのだという
最近は、
言葉が不足しているから
誤解 ....
あなたは夜の川
真っ黒な夜の川
冷たい冷たい夜の川
わたし見てたの
溺れてしまいそうなくらい
ずっと見てたの
夜の川
静かな夜の川
淋しい淋しい夜の川
父さんは何故嫌がることをするの
父さんは何故母を裏切るの
白い手袋が朱赤く染まる程
あなたが嫌いだ
憎いから誓った あなたを許さないと
水を抱かせたよう 巧みにすり抜けた後は
びしょ濡 ....
私はとても小さいので
海を見れば
海でいっぱいになってしまう
私はとても小さいので
空を見れば
空でいっぱいになってしまう
私はとても小さいので
風を匂えば
風で ....
雪のしずむ日
頭上に積もる雪の重みを持ち手に感じ
傘をそっとゆすり
積雪をそろそろと振り払う
重みから放たれて
散華してゆく雪精が
ちらり、とときおりわたしをとおりゆく
そん ....
言葉が止まったから
気持ちが止まったわけでなく
言葉が止まった時の方が
気持ちがものすごく動いている
君が何かを言いかけては
ごめんやっぱり今日はいいのと言う
そんな日が続いて ....
時速80kmの車窓
次から次へと景色は流れる
ホームの階段をひたむきに駆け上がる
パリッ!とスーツの新人サラリーマン
けっつまずき 宙に浮く {ルビ縮=ちぢ}んだ4本の手足
車窓から消え ....
北鎌倉・東慶寺の敷地内の喫茶店
外には店を囲む竹垣が見えるガラスの壁
に寄りかかりコーヒーをすすっていた
顔を上げると
店内を仕切るガラスの壁の向こうに透けて
カウンターの中に一人の妖精が{ ....