すべてのおすすめ
静かな水面を犯す
色あせた小船
風に運ばれ
流れ
中ほどで止まり
つっと少女が生え
東雲の空を仰ぎ
湖に
か細い背を預け
ざばん
透明なほのお飛び散り
幾多の波紋 ....
もしもここに
うつくしい空き箱があったなら
お風呂のように入って
外を眺めよう
風の吹く
外はやさしいように見える
口笛も吹こう
あの懐かしい歌
箱の片隅には
ヒイラギが落ちてい ....
冷たい井戸の水を汲んだら
とたんに雨が降ってきた
開け放した口に次々と
重たい雨粒が入ったり砕けたりした
久しぶりに自由に飲める水だけど
濡れて帰ればまたぶたれる
痣は青い花のように
....
全てを飲み込んで許し
傷つけ吐き出す
砂
片足がほろんでいる男の
肘にぶら下がる女
際限なくせばまり風にうずまく砂は
常に何かを形作ろうとし瞬間
走るように崩れ去り
うめきすら ....
秋が空気を包みはじめている
なんだか最近いつも二人でいる
コーヒーにミルクしか入れない
薄いこげ茶って秋っぽい色
髪、伸ばしているの
首筋が寒いから
風が落ち葉を舞い上げて
ほっ ....
て、手を伸ばして
やわらかくてをのばして
その、影
ぼくらに届いて
君は
ぬりこめられて
たいよう
やさしくしずみこみ
耳のあな
つぼみのように閉じ
ふとんを頭からかぶ ....
明け闇に稲妻
白い栞のように
風は慌ててページをめくる
朝を探している
朝
井戸につるべは落とされて
鏡が割れるように
宝石が生まれるように
しぶきは上がる
あたたかい頬 ....
暑い
ていうか暑い
夏に鹿児島で観光
無謀
薩摩半島まで行って
池田湖でクルージング
開聞岳を眺めたり
長崎鼻という薩摩半島の最南端も行ったけど
眩しすぎ
暑くてもうどうでもいい ....
ばびゅーんと飛行機で
鹿児島県へ行ってきました
鹿児島県の姶良町というところでした
すこし山の方へ上った周りは農家ばかりのところ
坂道多し
ダンナのおばあちゃんちにお世話になりました ....
夏の朝
白いテラスで
ラジオが唸ってる
はるか頭上の風は
あまり動いてない
雲も眠ってる
テーブルクロスも
キッチンから
また君がドーナツを揚げる音と匂い
揚げたては好きだけ ....
作者への文句じゃ決してありません
作品に言ってる?作者に言っている?
作品は我が子だ親バカ当たり前
作品は他人だ好きに言ってよし
作品は恋人少しは気になるわ
....
´
生まれたての
ダッシュされない
耳の美しいカアブ
描いて
´
(何か音)
聞いたこともない
さわれない
見る
ことも
青空に
シャープ
黒鍵に落ちる
細い指
....
ちいさい頃
留守番の夕暮れ時
椅子の下だけが安全な場所で
顔が出たら溺れてしまう
足が出たら喰われてしまう
と思いこんでいた
入学式前
ランドセルを背負ってみたら
ランドセ ....
夜がさらりと降りてくる
目覚めない
女の髪のような
さっきまで長く長く伸びていた影は
地面に溶けてしまった
あるく
あるく
よるのみちを
夜が満ちてゆく
そこここに
....
部屋の中は蒸し暑い
狭いベランダに出て
物干し竿と手すりを利用し
布を張り
テーブルと椅子を出して
小さいおうちができました
レモンの鉢植え
ホウセンカ
ハナスベリヒユ
あと、分 ....
秋のりんご園では
赤に染まったりんごが
元気にりんりん実っていて
枝は垂れ下がり
重たい実
それに丁度よい枝
葉は光をつかもうと手を伸ばした
あのままの形
その向こうに広がる
....
今日はもう眠たいんだと思ってた耳をやさしく齧られている
灼熱のキスも荒地の抱き方もじゅっと言ったら終わりなんでしょ
喧嘩してキスして抱っこして仲直り小憎らしいとはお前のことか
....
リッコちゃんのお耳からおみずがでたので
リッコちゃんはじゃぐちをつけてもらいに耳鼻科へいきました
しょんぼりとして帰ってきました
どしたの、ときくと
「むらさきいろのじゃぐちがよかったのに ....
友達から葉書が来た
「マイナーチェンジしました。これからもよろしく。」
とあった
その友達に街で偶然会った
以前は、にこにこしていてよく喋る友達だったのに
妙に暗い
そっちのマイナーか ....
懸賞好きの母が
手当たり次第に応募している懸賞が当たった
「サナギ一年分」だそうだ
当然母は家族からさんざん責められた
そんなものが一年間も毎日送りつけられたらたまったものじゃない
特に ....
気がつくと、渚が後ろにあった
最近やけに足が濡れるなと思っていた矢先のことだった
後ろなど滅多に振り返らないから気がつかなかったけれど
ふと振り向くと、後ろに渚があった
ひたひたと波の打ち ....
小さい頃からお世話になっていた診療所には
セイコさんがいた
しなびた手のお年寄りで
診療所の奥で薬の調合をしたり
患者がいなくて暇な時は掃除をしたりしていた
小さい頃はよく風邪をひい ....
春だから星を見てても暖かい一緒に見たよね僕ら青春
桜餅葉っぱを食べてもいいのかな会話の中にも散る散る桜
月笑うあなたは笑っているかしら卒業式を抱きしめる四月
水色が似合う ....
ねえ、
昨日の夜は何してた?
私は眠れなくて星を見ていたわ
あの星は、あなただと決めて
一番明るくて、まっすぐ私を見ていた
あなたの星はキラキラしてて
すっごくキレイで
私は悲し ....
自分の娘が二人の娘を連れて実家に戻ってきたら、どんな気持ちがするだろうか。三人の娘も無事に結婚したし、そろそろ引退でもするかな、と思っていた頃に、また娘と小学生の孫娘2人を扶養しなければならなくなった ....
はじまりはとても静かであたたかで目を開けた赤子は咲く花花を見ゆ
るるるると蛙の鳴き声が聴こえてきた青い田園を目を細め眺めるそふ
なんども口づけを交わす祭りの夜の恋人達蛍や花火の真上で黙るつき
....
子供達は
頭の大きさほどのばくだんを抱え
海辺にたどりつくと
次々とそれを投げ込んだ
ことごとく不発のそれは
波に飲まれ
海はあざ笑った
次はよく破裂するものを持っておいで
....
幼い頃からいつも一緒でした
わたしとあなたは
いつしか
あなたの右の指に花が咲くようになり
わたしの左の頬に花が咲くようになり
わたしたちは
その花を愛でたり食べたりするよ ....
と君は
言いかけて
黙ってしまった
桜の花びらが散って
一枚が肩に落ちたんだね
手に取って真近に見たら
とても薄くて白くて ....
海原に月がひとつ満ちていた
波は立ち上がっては落ちていく
暖かい夜なので淋しい予感はない
浜辺に置いてある椅子は日に焼けて
幼い頃の君はそこに立って遠く ....
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