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触れたら溶けてしまうほどの
弱い零度で繰るんだものは
あなた仕様の想いです。
格子の向こうで微笑む陽になぞられただけで
露わになる想いを守る腕は
とうに限界を越えているけれど
他の誰かでは規格外な想い ....
『せんせい
あのね、
きりかぶのかげに
あさがおをみつけたよ』
とってもきれいで
なつかしくて
すごくうれしくて
なきそうになったよ
だってね、せんせい
なつのはじめ
ちいさなプランターに
みんなの ....
掌に溢れる
小さな小さな
名前を持たない海は
誰かが忘れた
いつかの涙
そっと還した砂浜に
魅せた幻想は
いつかの真実
風舞い香る
刹那の宴
海をなくした掌は
冷たさと戯れて
指先を転がしている
....
指先を弾くビー玉の
揺らす羽音に傾けた顕在
美しさに魅る
誰もが潜在させていく
消せない痕跡の奏で方
雨粒が掬いあげる五線譜を
なぞるように紡ぐ音源
白月の発光が仕上げる響き
潜在の零れた葉のたゆ ....
近い過去
傷口を庇いながら
痛みを無視して
紅空を愛してた
今
認めなかった傷を
直視して解けた意味
幼さと至らなさと
自我欲の赤い泪
白空を求めている
近い未 ....
飛ぶはずだった
憧れのなびく この地で
丁寧に編み上げた羽を
広げて様子をうかがっていた
冷たすぎず暑すぎず
体温に溶け込む風
見え隠れしながら射す陽気
たゆませた草の
ゆりかごは
すで ....
泥んこ遊びに
大冒険、
必死になって掬った
おたまじゃくしも
大人になった今じゃ
もう遠いけど
小さな水溜まりを見つけて
思わず
はしゃいじゃった。
陽射しも熱も
愛しいほどに
懐かしい。
....
はぐれてしまった季節を
無理に追ったりはしないわ。
ズレた時間も
気持ちがイイものね。
よく晴れたこんな日は
思いっきり息を吸い込んで
初めての感覚に
溺れていたいわ。
空も風も…優しい。
教えら ....
辿る旅路の道端に
思い出の花が咲いていた。
幸せに咲いた花は枯れ
苦さにつけた蕾が揺れていた。
“幼さを悔いても、道は繋がらない”
本能的に身に付けていく術は
美しいばかりに溶 ....
気が付けば いつも
私を独占する 貴方がいます
無意識に なぜか
貴方を探す 私がいます
素知らぬ顔で いつでも
私を拐う 貴方がいます
ひとりよがりに 時に
ひどく落ち込んだ ....
光りを纏い取り戻していく
近い記憶の
無邪気と純粋
瞳に映る輝きに
洗われていく心
今は半分しかない
あの頃のわたし
透明なはずの七色の粒を集めて
....
とおい空を
求めたりしない
ただ
「綺麗ね。」と
微笑んでいたい
この空に
問いかけたりしない
ただ
「瞳だけでも触れさせて。」
そう呟いて泣いていたい
....
実りの乏しい果実は
熟しを迎える前に摘まれ
肌の感覚を忘れていく
湖面に映る白雲を
理想で描いては
草原と遊ぶ風に
木々と語り合う鳥に
旅の情緒を詠わせた
そんな他愛もない無邪気さは
手から土へ ....
雨音は優しく
掌に溶けていく
頼りない指先を震わせながら
包み込む無機質を織っては
瞬間を紡いでいた
蒼が泣き
灯りの落ちたアスファルト
落ちた星星が還る頃
力なく映す街灯の柔 ....